802.11n規格めぐる対立は2陣営に収束

長期化しているIEEE 802.11n標準策定だが、MotorolaがWWiSE陣営に参加することにより、対立は2陣営に収束した。今年半ばまでにはドラフト標準が選ばれる見込み。(IDG)

» 2005年02月26日 08時14分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Motorolaは2月24日、IEEE 802.11n標準に関する自社の提案を、業界団体World Wide Spectrum Efficiency(WWiSE)の提案と統合することに合意した。これで高速無線LAN規格をめぐる争いは2つの陣営に収束される。

 100Mbps以上のデータスループットを実現する無線LAN規格の802.11nをめぐっては、まだ2つの提案が残っている。IEEEの作業部会は3月14日、この2つのプランを投票にかける予定で、いずれかが75%の票を獲得すれば、それがドラフト標準になると、WWiSE広報で作業部会の投票権を持つメンバーでもあるジム・ザイレン氏は語った。

 Motorolaは独自の提案を出していたが、ザイレン氏によれば、これを推進するために十分な票が1月の会合で獲得できなかった。Motorolaの支持はこの時点で約10%で、次回会合ではこの票がWWiSEのものとなる。しかし、それでもWWiSEの支持票は約45%、対立提案のTGn(Task Group N) Syncは55%の支持を集める見通しだという。

 この標準をめぐっては業界大手が対立している。WWiSE陣営は新たに加わったMotorolaと、Broadcom、Buffalo Technology、Texas Instruments、ほかザイレン氏がワイヤレスネットワーキング部門ディレクターを務めるConexantなど9社が参加。一方のTGn Syncは、Cisco Systems、Intel、Nokia、Atheros Communications、および1月の会合直前に自社提案をTGn Syncと統合したQualcommという顔ぶれになっている。

 ザイレン氏の予想では、今年半ばまでにはドラフト標準が選ばれ、そうなれば2007年初頭には最終規格が調印される運びになる。MotorolaがWWiSEに加わったことで、プロセス加速の一助になったと同氏は見ている。

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