B・A・Rホンダの車体設計を支援したUGSの情報共有プラットフォーム

UGS PLM ソリューションズは、米本社のUGSが、B・A・RホンダF1チームと提携し、同チームの最新マシン「B・A・Rホンダ007」の設計開発期間の短縮に成功したと発表した。

» 2005年03月09日 22時07分 公開
[ITmedia]

 UGS PLM ソリューションズは3月9日、米本社のUGSが、B・A・RホンダF1チームと提携し、同チームの最新マシン「B・A・Rホンダ007」の設計開発期間の短縮に成功したと発表した。

 B・A・Rホンダは、F1シーズンの終了後から翌年のシーズン開幕までの短期間に、FIA(Federation International De L’Automobile)当局による厳しい規制変更に対応しながら、次のF1シーズンに投入するマシンの設計と開発を行っているという。そこでは、より速く、高性能で安全なマシンを作るためにの技術的な課題の解決に取り組んでいる。

 今回、新型車の初期設計コンセプトからテスト、製造、サーキットと工場とのWebベースによるコラボレーションまで、全ての開発プロセスを通じて、UGSのデジタル製品開発プラットフォーム「NX」と製品ナレッジ管理コラボレーションソフトウェア「Teamcenter」を活用した。

 NXとTeamcenterにより、同チームは、新型車の開発プロセスにおいて、課題を解決するための設計力や精度が向上しただけでなく、各部署間でリアルタイムに情報を共有できるようになり、開発に要する時間を大幅に削減したとしている。

 また、設計チームは、NXプラットフォームを活用して、独自に設計した3500点以上の部品を含む車体の完全な3Dモデルを作成。可動部品の干渉確認や風洞シミュレーション、アニメーションシーケンスなど、同プラットフォームを活用して個々の部品やアセンブリのシミュレーション、パフォーマンステストを実施した。

 さらに、製造段階に移ると、英ブラックレイにあるB・A・Rホンダのチームオペレーション・センターのコンピュータ制御マシニング・ツールの駆動に、NXで作成したデジタルモデルを使用した。NXデータは、特殊部品の製造を委託した外部サプライヤーでも、簡単にエクスポートして利用することができるとしている。

 また、Teamcenterは、設計と開発の全プロセスを通して、B・A・Rとホンダ(エンジン開発)の設計者とエンジニアのチーム間の同時コラボレーションを、英国と日本の両方で可能にしたという。Teamcenterのビジュアライゼーション技術によって、すべての関係者が車体および部品の最新の3D設計を業界標準のJTフォーマットで確認し合い、修正や改良の余地がある場合は互いにフィードバックを共有した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ