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» 2005年03月10日 08時13分 公開

社内の従業員の勤務評定に関する情報も個人情報に該当しますか個人情報保護Q&A

[古本晴英,ITmedia]

 個人情報保護対策というと、顧客や消費者の情報にばかり目が行きがちですが、社内で働く従業員に関する情報も重要な個人情報です。個人情報保護法は、企業が個人情報を取り扱う場合の規制のあり方について、社内社外の区別をしていません。したがって、従業員本人から自分の情報を開示してほしいと請求された場合、これに応じなければならないのが原則です(法25条)。

 ただし、勤務評定に関する情報などは、社内においても極秘の扱いを受けている場合があります。これを開示すると、「業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれ」があるという場合は、例外的に開示を拒むことができます(法25条1項2号)。注意が必要なのは、必ずしも人物評価に関する情報はすべて開示を拒むことができるという訳ではないということです。「業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれ」があるか否かについて、情報の内容や性質により個別具体的に検討して判断する必要があります。

 また、勤務評定に関する情報を出向先に提供することは、個人情報を「第三者提供」することになります。したがって、提供する前にあらかじめ本人の同意を得る必要があります(法23条)。この場合、開示請求と異なり、業務遂行上の事情によっては同意を得なくても良いという例外はありませんので、注意が必要です。

古本晴英プロフィール

1998年弁護士登録。日弁連情報問題対策委員会委員。社団法人自由人権協会(JCLU)理事・事務局次長。民事、刑事の訴訟実務のかたわら、弁護士会の個人情報保護対策の実施や、国民生活センターの客員講師として個人情報保護法の講座を担当している。主要著書に「Q&A個人情報保護法」(三省堂、共著)、「個人情報管理・運用の実務」(新日本法規、共著)がある。

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