英国の三井住友銀行でハッキング未遂事件が起きたが、容疑者は逮捕され、金銭的損失はなかった。(IDG)
英国の三井住友銀行で2億2000万ポンド(4億2400万ドル)が盗まれそうになるハッキング未遂事件が起きた。同行がこれを認めたことを、セキュリティ専門家は評価している。
報道によれば、英国の国家ハイテク犯罪局は大手銀行に対し、キーロギングに対する守りを固めるよう注意を呼び掛けた。この手法は、ロンドンの三井住友銀行に対する攻撃で、盗難の目的で使われた。不正侵入者が世界各国の10口座を経由して同行から金を引き出そうとしたという。
キーロガーはコンピュータ上のキー入力をすべて記録するプログラムで、パスワードの盗難によく使われる。1年半前、米国のゲームデベロッパーValveでは、ウイルスを通じて創業者のコンピュータにキー入力記録プログラムが仕掛けられ、「Half-Life」最新版のソースコードが盗まれる事件が起きた。
「一般的に、大手企業は自社のセキュリティ問題について一切語りたがらないものだ」と指摘するのはセキュリティソフト企業Sophosの上級技術コンサルタント、グラハム・クルーリー氏。「住友は非常によくやった。金銭的損失は一切被らず、当局にも通報した」
イスラエル警察は3月16日、現金の一部を自分の口座に送金しようとしたとして、イェロン・ボロンディ容疑者(32)を逮捕した。報道によれば同容疑者はマネーロンダリングと詐欺の罪に問われている。
イスラエル警察の発表では、「高度な手口を使った詐欺」により、1390万ユーロを送金しようとした未遂事件があったと述べている。
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