Novell CTO、CAへの転職を語る

Novell CTOからCAのUnicenter部門幹部へと転職するアラン・ヌージェント氏が、転職の理由などについて語った。(IDG)

» 2005年03月25日 16時31分 公開
[IDG Japan]
IDG

 NovellのCTO(最高技術責任者)のポストを降りたばかりのアラン・ヌージェント氏は、4月8日付けでComputer Associates International(CA)のUnicenter部門の上級副社長兼ジェネラルマネジャーに就任する。同氏はCAで最も大きな部門を監督することになる。この部門はサーバ、アプリケーション、デスクトップ、データセンター向けの幅広いUnicenter管理製品群を専門としている。

 同氏は3月24日、Computerworldのインタビューに応えた。

―― 転職の理由、そしてなぜ今なのかを教えてください。

ヌージェント氏 数カ月前からCAと話をしていました。CAにはたくさんの自社開発の管理ソフトがあります。それに前線の仕事に復帰するのは素晴らしいチャンスです。CAの市場リーチと勢力範囲は並ぶものがありません。本当に素晴らしい上昇の機会です。私の転職はNovellとは何も関係ありません。彼らはよくやっています。

―― CAの新しい社長兼CEO(最高経営責任者)ジョン・スウィンソン氏が転職の主な理由だったのですか?

ヌージェント氏 ジョンの経歴は彼の技術力の割には魅力的です。彼とCAには確固とした計画があり、その方向性は正しいものです。

―― スウィンソン氏はCAの多数の製品を統合する必要性を口にしています。もしかしたら一部の製品はなくなるかもしれません。あなたの見解は?

ヌージェント氏 哲学的なレベルでは意味があることです。われわれはむしろ、製品スイート全体を迅速に評価し、成功しているものとそうでないものを決めるつもりです。詳しい数字は出せませんが、「たくさんの製品があるため、これを統合することが最初にするべきこととして妥当に思える」という考えです。

―― 企業のIT管理者は、システムとソフトが複雑すぎると話しています。どう思いますか?

ヌージェント氏 複雑さは大いに懸念されることです。私はCAの内外で複雑さを確実に減らしたいと考えています。すべてのベンダーの製品の複合効果もあって、混乱が起きています。私は効果と効率性という概念に熱中しています。あまりに多くの顧客が、1社のベンダーから効果的あるいは効率的なものが十分に提供されていないと感じています。Unicenterは多様性と複雑さを減じるのに完全に適した枠組みです。業界がその方向に進んでいるという意味で、タイミングもぴったりです。

―― Unicenterのスタッフは変更されるのですか?

ヌージェント氏 それについてはまだよく分かりません。

―― オンデマンドコンピューティングあるいはオートノミックコンピューティングの概念は流行していると思いますか?

ヌージェント氏 オンデマンドは「マーケテクチャー」と言えます。ですが、いつかの時点で、ベンダーのように振る舞うIT環境が登場すると言ってもいいでしょう。システムにより企業をもっと機敏にする構想はいくつかあります。しかし、私が「実行時にインフラの振る舞いを修正する能力」と呼ぶものを獲得しなければ、オンデマンドは実現できません。このオンデマンド性、自律性は今は存在していません。Unicenterはそれを実現するのにふさわしい枠組みです。実現は6カ月後でしょうか? いえ、市場がそこに達するにはしばらくかかるでしょう。

―― ITインフラライブラリベースのコンセプトでは、システムのすべてのコンポーネントを記録するシングルシステムデータベースが必要だと唱えています。ですがIBMはシングルデータベースが本当に必要だというBMC Softwareの見方を支持していないようです。これについてはどう思いますか?

ヌージェント氏 これらのシステムの振る舞いについて複数のデータソースを持つべきかどうかは激しく議論されています。データベースディレクトリについての議論も盛んです。これがすぐに解決されるとは思っていません。一介のベンダーとして、これを解決することはわれわれの仕事ではありません。顧客はインフラ用に1つのリポジトリを、ほかの用途に6つのリポジトリを使うことでこの問題に対処しています。

―― 私は何を勧めればいいんでしょうか?

ヌージェント氏 ディレクトリインフラを使うのが適切な場合も、データベースが適切な場合もあります。1つ使おうと両方使おうと、OracleまたはPeopleSoftにユーザー情報を格納し、おそらくはUnicenterにインフラデータを格納することになるでしょう。これらはエンタープライズでよく利用されており、これらを併用することは適切です。

―― 管理ソフトのコストは高すぎるのでしょうか?

ヌージェント氏 ふざけているように聞こえたら不本意なのですが、顧客の直面する問題を解決できれば、高すぎるということはありません。われわれが購入するものは何でも、望むとおりの効果がなければ高すぎると言えます。価格が注目されていますが、私は価値に注目します。顧客は、優れた堅固なシステムを持つ企業と手を組みます。ソフトが高すぎるかどうかではなく、適切な価格に設定されているかが問題なのです。

―― 昨年のサンジェイ・クマー氏の退任とそれに関連する問題が依然として顧客の心に残っていると思いますか?

ヌージェント氏 私はCAに入社することを楽しみにしていますし、皆さんにはCAに注目し続けるよう勧めます。素晴らしいことが起きつつあるからです。サンジェイの退任は私にとって困ることではありません。そうでなければCAに入社しないでしょう。ほとんどの人は、これは過去のことだと言っているし、数人の個人の行為のために企業を迫害することはできません。これが過去のものとなり、もっと肥沃な土地へ向かうときが来たと期待したいです。

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