ニュース
» 2005年03月31日 13時53分 公開

日立、20ユーザー無期限無料のiB、BOXER V.で活性化を狙う

企業Blogのすそ野を広げるべく、日立製作所はBlogサーバソフトとグループウェアを無償公開した。20ユーザーまで無期限で無料という勢威的な展開には、活性化の狙いがある。

[木田佳克,ITmedia]

 「BOXER」のブランドで企業向けBlog利用を推進する日立製作所は、同社のコラボレーションウェア「BROADNETBOXER V.」(以下、BOXER V.)、イントラブログサーバ「iB」それぞれを、20ユーザーまで無償利用可能な無期限ライセンスとして公開した。BOXERサイトから受け付ける。

画面■iBポータルページ
画面■BOXER V.スケジューラ画面

 日立は、既報のようにこれまでもイントラブログ(Inranet+Blogの造語)と称する企業内Blogへと積極的であり、シックス・アパートを始めとするイントラブログ・コンソーシアム設立メンバーの1社となっている。2005年4月現在、ベンチャーが多い企業Blog情勢だが、サーバサイドBlogソフトで先導したシックス・アパート(Movable Type)と同じく、推進、啓蒙などでも業界をリードしている。

BOXERサイト上の「BOXER TALK」でイントラブログ理論を繰り広げるブロードバンドサービス本部、BOXERビジネスグループの小川氏

 今回の発表では、前述のようにBOXER V.とiB導入のために機能制限を廃したライセンス形態を導入、20ユーザーまでは無期限で無償利用が可能、という勢威的なものとなった。ユーザー数制限こそあるものの「無期限で無制限利用」という発表はかなり戦略的と思えるところ。これに対し、同社のブロードバンドサービス本部BOXERビジネスグループ、小川 浩氏は「マイクロソフトがIEを無償配布したことと似ている」と語った。

 また、小川氏は、これまでBOXERは多数の企業に導入した実績があるが、それでもソフトの特性上なかなか最初の段階では効果が見えづらいため、意志決定段階での不透明さを払拭することが課題だったという。この点を改善すべく、試用可能なパスを作ることが重要と考え、発表に至ったという。

 さらに「イントラブログを今まで以上に広く認知してほしい。スタンダードなものとして認知された時、日立の名が出てくればうれしい」と想いを語る小川氏。中小規模の企業、そしてSOHOでは20ユーザーで事足りてしまうケースも考えられるが、21ユーザー以上の大企業導入には、特定の部門で使い始めるためのパスとしても重要、というのが日立の見解だ。

 なお、BOXER V.は、iBとは異なる特色を持ち、競合のサイボウズガルーンと比較されるほどの機能性を持つグループウェアソフト。「イントラブログとは異なる利用形態が予想されるが、企業内Blogにも通じる点が多い」と言い、底上げを行いたいというのが発表見解のようだ。

iBはマルチユーザーに対応する標準機能が豊富

 iBは、オープンソースソフトウェア(OSS)公開ではない。日立がRed Hat Enterprise Linux ES 3上の動作保証を行うサーバサイドアプリケーションであり、BOXERサイト上でライセンス申し込みを募り、企業利用を条件に無償ライセンスを発行する形態だ。

 シックス・アパートがTypePadサービスを行う意図からも、Linux上のために導入ハードルがあるのでは? との問いに「Movable Typeよりも簡単。15分程度で終えられるはず」と小川氏。データベースにはOSS(オープンソースソフトウェア)のPostgreSQLを利用するが、iBの配布パッケージに含まれており、データベースユーザー設定も同ソフト上で行える。このため、通常はLinuxシェル上の操作が不必要とのことからも導入が容易という。

ブロードバンドサービス本部コラボレーションソフトウェア設計部長の松澤 茂氏

 「それでも導入が困難、あるいは手間を軽減したいというニーズも想定する」とブロードバンドサービス本部コラボレーションソフトウェア設計部長の松澤 茂氏。配布形態のバリエーションとして、アプライアンスサーバとの組み合わせも検討していると語られた。

 iBを構成するシステム言語は、Movable TypeのようなPerlではなくJavaベースのもの。「1000ユーザー以上に耐え、ミッションクリティカルな要件にも応えられるよう設計している」と小川氏。すでにデファクトとなっているMovable TypeベースのBlogに対する優位性について小川氏は、「企業内で利用できるようマルチユーザー環境を考慮している。1つのBlog(1Weblog)をまたぐ複数のBlogを統括するカテゴリー扱いや、更新表示なども標準機能でカバーしている」と小川氏。Movable Typeの人気の1つとなっているプラグインに対する機能性も搭載されており、通常必要となるであろう機能(プラグイン)はすべて網羅されているとのことだ。将来的なAPI公開の意向も示された。

 また、iBに併せてRSSリーダー&クローリングサーバ「Soner」も20ユーザーライセンスに含まれる。Sonerは、RSSリーダーとクロールサーバの組み合わせ。Webベースのリーダーを採用することで敷居をさげることが狙いであり、iBのBlog書き込みはもちろん、特定のページやRSSをクロールすることで社内の情報共有を目的としている。オピニオンリーダーとなるユーザーがiB上などで情報配信を行えば、社員全体へも行き渡る効果が期待できる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ