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» 2005年04月05日 14時24分 公開

MS、プロトコルライセンス案を修正――オープンソースの問題は解決されず

Microsoftは欧州委員会の懸念に応えてライセンス料を引き下げるなどしているが、Windowsプロトコルをオープンソース製品とともに配布できないという問題は議論が続いている。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 米Microsoftは昨年欧州委員会から下された命令を遵守するため、Windowsプロトコルを競合他社にライセンスする際の条件について、同委員会に修正案を提出した。同社広報担当者が4月4日、明らかにした。

 同社は、欧州規制当局が挙げた懸念のほとんどに対処したと考えているが、双方の間ではまだ6件の問題について議論が続いていると広報担当のトム・ブルックス氏。その問題は、Microsoftのプロトコルをオープンソース製品と一緒に配布する方法に一部関連しているという。

 欧州委員会の広報官は、Microsoftが3月31日に修正案を提出したことを認めた。同委員会は、この案が要求を満たしているかどうかを検討しているところだと広報官のジョナサン・トッド氏は語る。同氏は、Microsoftが命令を遵守しなかった場合に1日当たり500万ドルの罰金を科される可能性を除外しなかった。

 Windowsプロトコルのライセンス供与は、昨年Microsoftが欧州委員会から「デスクトップOS市場での独占力を乱用して、関連市場で不正に優位に立とうとした」との裁定を下された際に要求されたことだ。Microsoftは是正措置として、特定のワークグループサーバプロトコルを競合ベンダーにライセンスし、他社がWindowsと適切に連係する製品を開発できるようにすることを命じられた。

 これには、Microsoftがデスクトップにおける独占を不正に利用して、サーバ市場を支配することを防ぐ狙いがある。同社にはさらに、メディアプレーヤーをバンドルしないWindowsのバージョンを提供することと、4億9700万ユーロ(6億6200万ドル)の罰金支払いを命じられた。

 先月、欧州委員会はMicrosoftの最初のプロトコルライセンス条件案を却下した(3月19日の記事参照)。Free Software Foundation Europeから、ライセンス条件がオープンソース開発者にとって不公平だとの苦情があったためだ。同委員会は3月21日に、Microsoftに対して非公式に2週間の期限を設定した。それまでに条件が改定されなければ、同委員会はMicrosoftに罰金を科すかどうかを決めることになっていた(3月22日の記事参照)

 欧州委員会はMicrosoftの最初のライセンス案について26件の懸念を挙げたとブルックス氏は4日に語った。同社はそのうち20件を「受け入れ、それに対処する案を提出した」が、残りの問題についてはまだ議論が続いているという。

 欧州委員会が懸念する残りの問題の1つは、今のライセンス条件では、Microsoftの知的財産を侵害する恐れがあるという理由から、Windowsプロトコルをオープンソース製品とともに配布することが認められていないという点だ。双方はまだこの問題を解決していないとブルックス氏。

 「彼らは、これらプロトコルのソースコード自体は公開せずに、これらをオープンソース製品とともに配布する方法を見つけようとしている」とブルックス氏は語ったが、それ以上の詳細は明かさなかった。「これは複雑な問題だ。知的財産を守ることと、プロトコルをできるだけ広く提供することの両立が中心となるからだ」

 また、欧州でMicrosoftのプロトコルのライセンスを受けた開発者が、欧州以外で製品を開発、販売するできるかどうかという問題も残っている。米Microsoftはこれに反対している。

 さらに欧州委員会は、プロトコルライセンスを取得できるかどうかの評価を受けるために、他社がMicrosoftに支払う費用が高すぎるとしていた。Microsoftは、評価費用を「1日5000ドル、2日で7000ドル」からレビュアー当たり1日500ユーロ(644ドル)に引き下げることでこの懸念に対処した。費用はライセンス契約を結んだ場合に支払われるとMicrosoftは説明している。

 Microsoftはまた修正案で、より柔軟なライセンス構造とより安価なライセンス料を提案している。ベンダー各社はすべてのプロトコルをライセンスする代わりに、一部のプロトコルのライセンスを受けられるようになる。この点もまた、欧州委員会の懸念事項だったとブルックス氏。

 「(先月)欧州委員会からフィードバックを受けて以来、われわれは不休で取り組んできた。大きな前進を遂げたと感じている」(同氏)

 RealNetworksなど一部のMicrosoftのライバルは、Microsoftが意図的に当局の命令への遵守を遅らせていると批判している。Microsoftは先週、メディアプレーヤー抜きのWindowsバージョンに対する不満に応え、このバージョンの名称を当局から拒否された「Windows XP Reduced Media Edition」ではなく、「Windows XP Home Edition N」「Windows XP Professional Edition N」に決定した(3月29日の記事参照)

 同社はまた、ライバル各社から「メディアプレーヤー抜きのWindowsを正常に機能させないようにしている」として批判された各種のレジストリ設定を変更することに同意した(3月30日の記事参照)

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