OSI、オープンソースライセンスの分類に乗り出す

OSIは、現行のオープンソースライセンスを「Preferred(優先)」「Ordinary(一般)」「Deprecated(非推奨)」の3つのカテゴリーに分類する計画だ。(IDG)

» 2005年04月07日 19時34分 公開
[IDG Japan]
IDG

 「オープンソース」という言葉の意味が変わろうとしている――オープンソースライセンスの認定を行うOpen Source Initiative(OSI)の理事会は、ライセンスの分類を厳格にする全面的な変更を承認した。この変更により、最終的に、一部オープンソースライセンスを優先する新しい「多層的な」分類システムが作り出されることになる。

 この変更について詳細に説明したホワイトペーパーは、今週中にOSIのWebサイトで公開される見込み。この変更は、現在提供されている多数のオープンソースライセンスをめぐり、混乱が拡大していることに対処する狙いがある。

 OSIは、新しいライセンスが「オープンソース」の指定を獲得しにくくなるように手続きを厳格化したが、既存のライセンスの分類をやり直して、ポピュラーな少数のライセンスにより重点を置くプロセスも開始した。

 開発者たちは次第に、「あるオープンソースライセンスでカバーされるコードを取り入れる際に、別のライセンスの条件に違反してしまうかもしれない」という懸念を持つようになっているとOSIは考えている。「OSIで承認されたライセンスの数が増え、起こり得るライセンスの衝突の数において組み合わせの爆発が起きている。これは深刻な問題になる可能性がある」とホワイトペーパーには記されている。

 現在OSIのサイトに載っている50以上のオープンソースライセンスのリストを見るだけで、衝突を懸念する開発者は圧倒されるだろうとOSI理事のラッセル・ネルソン氏は語る。「われわれがやろうとしているのは、この平板なライセンスリストをなくして、階層化することだ」

 OSIは、現行のオープンソースライセンスリストを「Preferred(優先)」「Ordinary(一般)」「Deprecated(非推奨)」の3つのカテゴリーに分類する計画だ。「ライセンス間の影響を扱いやすくできる程度に、Preferreライセンスの集合を小さく定義することが目的だ」とホワイトペーパーには書かれている。

 最上層には、およそ6種の推奨オープンソースライセンスが含まれ、「Preferred」と指定される予定だ。これらのライセンスは、Linuxにおいて既に約80〜90%のソフトをカバーしている。

 ネルソン氏によると、この指定を受けるライセンスは、GNU General Public License(GPL)、Lesser GPL、Apache Software License、Berkeley System Distribution(BSD)、Mozilla Public Licenseになる見込みだが、OSIはこれについて一連の公開ディスカッションを行う予定だ。

 OSIは、公開ディスカッションによって、最終的にOrdinaryとDeprecatedの正確な重要度が決まると期待しているが、Preferredではないライセンスの下でコードをリリースすることを阻止することがポイントになると理事会のメンバーは話している。

 この分類プロセスには約6カ月かかる見込みだとネルソン氏。

 とは言え、利用されるライセンスの数と、ライセンスの利用をめぐる混乱を減らすことを成功させるのは難しいだろう。「実際に世間に対する効果はあるだろうか? 効果が現れるまでには何年もかかるだろう」とネルソン氏は語っている。

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