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» 2005年05月02日 12時40分 公開

ITR 内山悟志の提言:SEに求められる「アーキテクチャ的思考」 (1/3)

ITRアナリスト内山氏の寄稿の2回目。前回の総論に引き続き、各論に入る。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)

[内山悟志(ITR),ITmedia]

  内山悟志 (アイ・ティ・アール代表取締役/アナリスト)

 良き提案者であり課題解決におけるパートナーとして顧客から信頼されるSEとなるためには、課題や事象を全体的かつ俯瞰的な視点から見て、構造的に理解し、論理的に整理したり表現したりする能力が求められる。ここでは、そうした能力をアーキテクチャ的思考という観点から考察してみることとしよう。


なぜアーキテクチャが必要なのか

 昨今のIT業界では、EA(エンタープライズアーキテクチャ)やSOA(サービス指向アーキテクチャ)というキーワードが流行しているが、ここで言うアーキテクチャ的思考とは、EAやSOAに対する知識をだけを指しているのではない。アーキテクチャはしばしば都市計画にたとえられる。

 明確なアーキテクチャなしに都市開発が進められると、後々どのような状態になってしまうかは、今の東京の街を思い浮かべると容易に想像がつくはずだ。いつも渋滞している首都高速や地下奥深くに敷かれた地下鉄網などがそれを象徴している。

 では、都市計画には何が必要なのであろうか。第一に、どのような都市にしたいのかというビジョンが必要となる。モータリゼーションに対応した都市、バリアフリーの街、環境に考慮した街など、その都市が目指す姿を示す基本的な設計思想が明確でなければならない。

 次に、全体的視点と長期的視点が重要となる。全体的視点とは、より大局的な観点から優先すべき事柄や、切り捨てるべき事柄を決定したり、論理的な順序だてを考慮したりすることを意味する。都市で言えば、商業地域、居住地域、文教地域などの地域構想、道路や鉄道網などの交通整備、上下水道や電力網などのユーティリティ計画などを論理的に進めることをあたる。

 長期的な視点とは、10年後あるいは50年後といった将来を見据えることを意味する。人口や居住者の平均年齢や家族構成、交通量、生活スタイルの変化などを事前に予測し、長期にわたって快適な都市空間を構想することが重要となる。

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