「ブレア首相のメールアカウントがハックされた」――英総選挙に乗じたトロイの木馬

» 2005年05月09日 14時53分 公開
[ITmedia]

 英セキュリティ企業Sophosは5月6日、トニー・ブレア英首相の電子メールアカウントがハッキングされたと称する電子メールに注意するようユーザーに警告した。

 Sophosによると、このメールは英国で総選挙が行われた5日の夜に英国のメールアドレスあてに大量に発信されたという。メールの本文には「BBC:トニー・ブレア首相の電子メールアカウントがハッキングされた!」というメッセージと「スクリーンショットはこちら」というリンクが含まれている。このリンクをクリックすると、ユーザーのコンピュータにひそかに一連のトロイの木馬をインストールするWebサイトにつながるとSophosは説明している。

 この攻撃によりインストールされるトロイの木馬はTroj/PWSAgent-A、Troj/JDownL-A、Troj/Viper-A、Troj/Viperjs-A、Troj/Dumaru-BEなどで、これらはINETCOMMサーバパスワードやOutlookのアカウントマネジャーパスワード、オンラインバンキングのアカウントなどを盗もうとするという。

 「おかしなことに、この攻撃の犯人は小さなミスを犯したようだ。電子メールのメッセージを見ると、BBCのサイトのブレア首相の写真を表示することになっているが、HTMLコーディングの初歩的なミスによりテキストメッセージしか表示されない」とSophosの上級技術コンサルタント、グラハム・クルーリー氏は指摘している。

 同氏は、一方的に送られてきたメールには気をつけて対処し、ウイルス対策ソフトを最新の状態にしておくようアドバイスしている。

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