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» 2005年05月10日 16時09分 公開

長期保管のメール本当に役に立ってますか? メール復旧・管理ツール「PowerControls」

PowerControlsはExchangeサーバのメールを迅速に検索・回復できるツールだ。当局からの電子メール提出にも迅速に対応できるだけでなく、Exchangサーバの障害復旧にも威力を発揮する。

[ITmedia]

 電子メールはその利便性の反面、内部情報が漏洩したり不正行為に使われるなど、深刻な事件、問題となる可能性をはらんでいる。エンロンの粉飾決算事件を機に米国では、米証券取引委員会(SEC)が電子メール保存規制(SEC rule 17a-4:規則17条a-4)を発行。不正を見極めるため、証券取引、仲介、売買業務に関する電子メールを3年以上(一部重要文書は6年以上)保存するように求めている。日本でも、対外訴訟や電子商取引上のトラブル発生の際には、電子メールも証拠となる文書として扱われ、金融監督庁から電子メールによる取引の記録保存や情報開示を求められたところは少なくない。

 金融機関の格付けの信用調査でも、どれだけきちんと情報セキュリティ対策をとっているかが、評価に影響するといわれている。今年4月の個人情報保護法の施行により、特に個人情報に関しては適切な安全管理の義務が課されることとなった。これを機会に、個人任せになっていたメールのやり取りを企業が常に記録し、必要に応じて検索できるようにしておくことは、訴訟対策や内部統制のためにも、必要な情報リスクマネジメントの一環である。

メールデータベースのメールは検索や回収が難しい

 電子メールや添付書類の保存を行っている企業は決して少数派ではない。ところが、メールの提出を要求されても、特定のメールを発見して提出することは困難だとする企業が半数近くを占めているという調査結果がある。その理由の1つとして多くの企業が利用している「Microsoft Exchange Server」のメールの管理が難しいからだという指摘がある。

 Exchange Serverは1つのデータベースにすべてのメールボックスのデータを持つ。このデータベースファイルの「.edb」からある特定のメールを拾い出すには、そのメールボックスのIDとパスワードが必要になる。もし辞めてしまった従業員の過去のメールを取り出したいと思っても、パスワードが分からなければそれはできないことになる。

 さらに、バックアップを行う際には、.edbファイルは圧縮されてバックアップファイルに変換される。このバックアップファイルを.edbファイルに復元するには、Exchange Serverに展開し直す必要があるが、Exchange Server 2000以降では、クライアント数も含めその.edbファイルが作られた時とまったく同じ環境にしないと展開できない。これは、メールサーバの障害などでデータをリストアする場合ならば可能だろうが、過去のメールデータをサルベージする場合には、現実問題としてほとんど不可能であろう。

データ復旧の技術でメールデータも簡単に可視化

 ワイ・イー・データの販売する「PowerControls」は、米Ontrack社のメールデータ回復ツールである。実はエンロンの事件でメールデータの回収に利用された、米国では名の知れたソフトウェアだ。その機能は、Exchange Serverのメールの回収・管理である。バックアップファイルから.edbファイルに復元し、任意のサーバに展開。そして、すべてのメールボックスの全データにアクセスできる。.edbファイルに復元する際、Exchange Serverの環境を再構築する必要もないし、全体のバックアップファイルさえあればブリックレベルバックアップも不要だ。つまり、PowerControlsを使えばデータリストア用のExchange Serverを別に立てたり、ブリックレベルバックアップ用の設備にかかるコストが、かからなくなるのである。

 PowerControlsは、バックアップファイルから.edbファイルに復元する「PowerControls Extract Wizard」と、.edbファイルを閲覧/検索/編集などを行う「PowerControls on Workstation」で構成される。このような機能を提供する競合製品がないため比較対象に困るのだが、Extract Wizardは十分な速さで変換を行う。

 また、WorkstationはOutlookと同様のユーザーインタフェースで、使い方はしごく簡単だ。

インタフェース PowerControleのインタフェース

 上の画面は、PowerControleのインタフェースだ。一番上の部分が復元した.edbファイル(現に利用中のExchange Serverの.edbファイルももちろん可能)を表示する部分で、真中はメールデータを回収するための任意のサーバを示している。データをコピーするには、メールをドラッグ&ドロップで移動させればいい。一番下は選択したメールの内容を表示している。

 管理者とオペレーターで権限を分けており、ターゲットのフォルダやファイルへの変更を制限したり、メール内容を表示させない機能がある。これらのセキュリティ機能は、管理者権限でのみ可能となる。

 米Ontrack社のデータを復旧する技術を基に開発されたおり、メール復旧・管理製品としてはかなり強力なツールといえる。もし何かで過去のメールの提出を求められたら、これが簡単に解決してくれると同時に、通常業務や災害による障害の際のリストアにも活用できる。さらに、日常的に経営陣から過去のメールが見たいといった要望があった場合にもすぐに対応できる。困った時の強力な助っ人であると同時に、日常の便利屋でもあるというわけだ。

 価格は、ライセンス販売制で100メールボックス、16万9800円となっている。PowerControleを障害復旧ツールとして利用してもそう高くはないし、訴訟の際に証拠提出できるかどうかを考えたら、かなり安いものだと考えてさしつかえないだろう。

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