特集
» 2005年05月15日 23時50分 公開

好きこそものの……:偏執狂も悪くない (1/2)

彼は花見の宴に来なかった。「どうしたんだ」と社長が電話をしたら、「今、絶好調なんです」と返事があった。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)

[吉田育代,ITmedia]

 資格試験に取り組んでいるエンジニアを連続して取材したことがある。その中にチャレンジのしかたが突出している人が何人かいた。取得している資格の数がハンパじゃないのである。OS系、データベース系、ネットワーク系、聞いた当時で20を超えていたと思う。本職はネットワークエンジニアなのだが、幅広い技術知識を得るというよりは資格取得そのものがおもしろいとのことだった。本人にとってはゲームのような感覚になっているのだろう。

視野を広げるための資格試験

 まず受ける資格試験をいくつか決めて、先に申し込みをしてしまう。試験と試験の間隔は大体一週間。往復の通勤時間に参考書を読む。帰宅後まっすく自室へ向かい、実機で機能を確認したり、Webで不明な点を調べたりする。晴れて試験に合格したら、その帰りの時間からもう次の試験の参考書を読み始めるという具合である。取った資格が実務に関係ないこともあるが、視野が広がるのは確かで、取引先に重宝がられるようになったそうだ。それはそうだろう、技術的にわからないことが生じたときに、いろいろ知っている人間が一人いると非常に便利だ。

 モノに対する執着が激しいエンジニアもいる。会うたびに携帯電話やPDAやノートPCなど、いわゆる「ギアもの」が変わっている。支払いは一体どうなっているんだろうと思うのだが、そういう人はファッションに興味がなかったり、住まいに頓着していなかったり、それなりにバランスが取れているようである。そういう分野に詳しいことが周りに知れ渡っているようで、頻繁に購入相談を受けている。

 対象となるモノが、ソフトウェアやサービスという人もいる。新しいテクノロジーの出現に敏感で、「これだ」と思ったら大半の人々がまだそれによく気づいていない頃からそれに没頭し、恐るべきエネルギーでまたたく間に習熟してしまう。

 いったん習熟してしまえば今まで取り組んでいた過去のテクノロジーと訣別することは何でもない。重要なのは、彼にとってそれが一番優れているかどうかなのだ。きわめてロジカルである。お気に入りのテクノロジーについて話を始めると、相手がそれを理解しているかどうかはそれほど大きな問題ではないといった風情で、いくらでも時間を割いてくれる。こちらが上手にあいづちを打つことができたら、もっと話してくれる。彼に会うといつも、「情熱」という言葉を思い出す。

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