会社設立の経緯について、松岡社長は、「現在のSEの多くはテクノロジーの進化の流れの中で、ソフトウェア製品のことをよく知らないままにソフトウェア開発を行うことが多かった。知っていれば1時間で済むようなことに多大な労力を使う傾向もあり、それは不幸な状況だと考えた」と話す。
こうした状況に陥ったSEを支援するために、e-ラーニングによってソフトウェア製品の機能を技術者向けに提供するサービスの展開を思い立ったという。
現在、同社の主力サービスは、企業がスキルアップ計画や育成強化などを適切に管理し、戦略的な人材育成を実現するためのプラットフォーム「iStudy Enterprise Server」だ。さらに、iStudy Enterprise Serverは、ホスティングサービスとしても提供されており、その基盤として、WebSphere、また、ハードウェアとして、IBM BladeCenter HS20が採用されている。
松岡氏は、エンジニアから始まった二十年余りの社会人生活を振り返りながら、「メインフレーム、オープン系システムの開発を手がけてきたが、デバッグ環境やエディタ環境などは飛躍的に向上したが、ソフトウェア開発自体はあまり進化していないという印象を持っている」と話す。
原因について、「SE自身が変えようと思っていないのではないか」と続ける。「こうすれば(モノの移動に)3歩かかっていたものが、1歩にできる」という具合に効率を追求してきたトヨタのカイゼンのように、常に品質を上げていこうという考え方を持っていれば、もっと違った進化をしているはずだという考えだ。日々の作業に追われているために、結果として、いつまでも同じことを繰り返してしまっている可能性があると指摘した。
また、同氏は、「顧客と対話するという考え方が少し薄れてきているのではないか」とも話す。かつては、「お客さんと飲みに行ったり、家に泊まったりといったことが普通にあった」という。こうしたコミュニケーションを図ることにより、顧客企業が持つ要件の裏側の事情も、SEとして把握できたとしている。
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