IBM、Solaris対抗策でRed Hatと手を組む

IBMは、SolarisからRed Hat Linuxに移行するためのアセスメントを無償で提供する。Sunが近ごろ行っている金融向けのアピールに対抗する狙い。(IDG)

» 2005年05月17日 19時43分 公開
[IDG Japan]
IDG

 IBMはRed Hatに手を貸すことで、サーバOS市場シェアをSun Microsystemsから奪還することに決めた。両社は5月17日、SunのSolarisユーザーをRed hat Linuxに引き込むための施策を発表する。

 IBMのシステム&テクノロジーグループはSolarisからRed Hat Linuxに移行するコストやメリットについて知るための移行アセスメントを無償で提供する。IBMのAIXグループではこの1年でSolarisとHP-UXユーザーに対し、500件ほどのアセスメントを行っており、年末までにはこの2倍のアセスメントを実施する予定だ。IBMのワールドワイドLinux担当副社長であるスコット・ハンディー氏は語った。

 IBMはRed Hat LinuxとNovellのSUSE Linuxの両方を各種サーバで販売しているが、今回の施策はRed Hatとの協力によるもの。

 アセスメントはIBMが2003年にSector7 USAのサービス事業部から購入してポーティングしたアプリケーションを使い、150人のエンジニアチームが実施する。アセスメントは7月1日から開始されるという。

 IBMは財務サービスソフトウェアベンダー22社とも協業し、Solaris向け製品をLinuxに移植する予定。これまでに目標となっている48アプリケーションのうち33製品がLinuxに移植されたという。

 3番目の施策は、顧客がLinuxへの移行する作業を助けるためのセミナーや教育イベントをIBMがスポンサーするというもの。

 IBMはこれらの施策によって、Sunが近ごろ行っている金融向けのアピールに対抗することを狙っている。ハンディー氏は、この対抗策としてRed Hatと組むことが適切だと語っている。

 Linuxへの移行を図る理由としては、タイミングもある。ハンディー氏によれば、Sunのシステムの多くは好況期の導入後、4年半を経過しており、切り替えにはよい時期だという。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ