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» 2005年05月18日 13時31分 公開

KDE開発者とユーザビリティ・エキスパートは互いの得意分野で協力を (1/3)

ユーザビリティ・エキスパートが開発プロセスに参加することで、ユーザビリティに関する状況は大きく改善されるかもしれない。KDEのあるプロジェクトの例を見てみよう。

[Tom-Chance,japan.linux.com]
SourceForge.JP Magazine

 ユーザビリティは、フリーソフトウェアの開発ではずっと論争の種になっていた。そして、GNU/Linuxディストリビューションが企業や家庭に普及するにつれ、ますますその重要性を増している。

 しかし、残念ながら、これまでのユーザビリティに関する議論は、厳しく問いつめられた開発者が陣地を死守しようとする形で展開されることが多かった。ユーザビリティからの改善提案を受け入れれば、ある機能の開発に費やした数カ月間が泡と消えることになりかねないからである。しかし、KDEのあるプロジェクトで実際に協力した開発者とユーザビリティ・エキスパートによれば、ユーザビリティ・エキスパートが開発プロセスにが参加することで、こうした状況は大きく改善されるという。

 KDE PIM(Personal Information Management)の中核となる開発プロセスにユーザビリティが浸透し始めたのは2年ほど前のことだ。以来、ユーザビリティは少しずつ重みを増していたが、昨年のKDEカンファレンスに設けられたユーザビリティ・トラックを契機に、PIMアプリケーション・スイートはユーザビリティの観点から徹底的に評価された。その結果、現行のリリースKDE 3.4に多くの改善提案を盛り込むことができた。これが実現したのは、KDE PIMの開発者とユーザビリティ・エキスパートの協力の仕方が劇的に変わったからである。

 それまでは、ユーザビリティに関する改善は必ずしもうまくいっていなかったと、エレン・レイトマイヤー氏(OpenUsabilityのエキスパート)、コーネリアス・シューマッハ氏(KDE PIMのリリース・マネージャー、KOrganizerの保守担当者を長年務めている)、ティル・アダム氏(KMailの中核的開発者の一人)は口を揃える。ユーザビリティのためのメーリングリストはkde-usabilityだけ。しかも、無関係の議論が多く、思い出したように改善点が話題になるが、それも多くは技術に関するものだった。

 「このメーリングリストはほとんど無視されていたのだ」(アダム氏)。アーロン・Seigoやトーマス・ザンダー氏らがユーザビリティへの取り組みを前進させようと個人的に努力していたし、議論の際の基準となるべき基本スタイル・ガイドはあったものの、面白そうな新機能の開発やバグの改修に比べ、ユーザビリティが関心を集め成果を生むことは決してなかった。それどころか、「ユーザビリティ・エキスパート、特に大学から来たユーザビリティ・エキスパートがKDEを評価しようと思っても、どこから手をつければよいのかさえわからない」(レイトマイヤー氏)という有様だったのだ。外部からの助言は、ほとんどコミュニティには届いていなかったのである。

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