函館空港ビルをひとり支えるSEに聞く(2/3 ページ)

» 2005年05月19日 09時12分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 同氏はUNIXの経験が豊富であったため、UNIXがベースになっていて、かつ、無料で利用できるLinuxでのシステム構築に踏み切った。一方で、Linuxを利用する上での問題点として、「オープンソースの最大の欠点は責任の押し付けどころがないこと」とも指摘する。「無料である分、自分でやらなくてはならないことも多いが、あまり気にならない」と話す。

 ただし、データベース(Oracle)の動作については懸念があったため、システム導入を行ったインテグレータである北海道CSKに、慎重な動作確認を依頼した。一方で、ネットワークの信頼性という意味では、「Linux以外の選択肢は考えられなかった」とLinuxを高く評価。管理についても、コマンドラインを利用してリモートから操作を行える点で、UNIX系OSであるLinuxの方が使いやすかったという。

 将来的な懸念としては、市販のアプリケーションやデータベースを含め、Linuxベースのシステムで互換性の問題が発生する可能性があることを挙げるが、現状では特に問題はないとしている。

インフラ周りのトラブルが怖い

 一方で、尾伊端氏は、函館空港ビルディングの情報システムとして、「スイッチが落ちてレジが止まるなど、インフラ周りのトラブルが最も怖い」とも話す。安全性の確保への取り組みには力を入れているという。そのため、電源の二重化、また、フリーウェアのシステム監視ツールを導入している。各ポート番号にパケットを送ることで、どこのスイッチの何のポートに障害が起きているかを把握することができ、便利という。

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