ディスカッション:日本におけるSOAの現状と課題SOA実現に向けて(1/3 ページ)

IBM Software World 2005の最後、パネル・ディスカッションは、パネリスト全員が「SOAは推進されるべき」との共通認識を持つこと確認し合った。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)

» 2005年05月26日 04時51分 公開
[梅田正隆,ITmedia]

 先日行われたIBM Software World 2005の2日目の最終セッションでは、SOAの現状についてさまざまな観点から考察するパネルディスカッションが開催された。

 モデレータは、日本IBM ディスティングイッシュ・エンジニアでWebSphereアーキテクトの清水敏正氏。また、パネリストは、ガートナー・ジャパンアプリケーション統合&Webサービス担当リサーチ ディレクターの飯島公彦氏、IDGジャパンCIO Magazineの舘野真人氏、住友信託銀行業務管理部の渡部信之氏、日経PB社日経コンピュータの田中淳氏が務めた。

SOAの採用にあたっては、どうかCFOやCEOをケアしてくださいと述べた日本IBMの清水氏。

 冒頭、SOAとESB(Enterprise Service Bus)について、ガートナー・ジャパンのリサーチ ディレクター、飯島公彦氏が解説した。SOAは大きく2つの構成要素があり、1つがサービスであり、業務機能を自己完結型に実行する実体。もう1つがサービスを呼び出す側だ。

 飯島氏は「SOAでは、これらのサービスを提供する側と呼び出す側の間に位置する、明確に定義された標準のインタフェースがポイントになります」と指摘。SOAはサービスを柔軟に組み合わせることでメリットを得られるが、そのためには互いのサービスの非依存度を高める必要があるため、インタフェースが非常に重要となる。

「SOAは製品ではなくITの一部であることを忘れずに」と指摘したガートナーの飯島氏。

 ESBについて飯島氏は、Webサービス対応能力を持つミドルウェア・インフラストラクチャであると解説する。従来はEAIツールがアプリケーション連携を担ってきたが、ベンダーの独自技術による連携であったために、異なるベンダー間での連携には困難が伴った。

 同時に、プログラム同士を連携させる資産のリサイクルもできなかった。さらにハブ&スポークのトポロジーであるため、EAIに付加が集中してしまう問題もあった。「ESBは、Webサービスの観点から整理し直し、アプリケーション間あるいはさまざまな製品間を、実装を超えて、インターネット的に接続しようという発想です」と平易な言葉を選んで説明した。

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