セキュリティ企業のCipherTrustは、ゾンビ化したPCの動向をリアルタイムに把握できるWebサイト「ZombieMeter」の公開を開始した。
セキュリティ企業のCipherTrustは米国時間の5月26日より、悪意あるコードを仕込まれて「ゾンビ」化したPCの動向をリアルタイムに把握できるWebサイト、「ZombieMeter」の公開を開始した。
ゾンビPCとは、「ボット」系ウイルスやワームに感染してトロイの木馬やバックドアを仕掛けられ、悪意あるユーザーの指示によって他のマシンにDoS攻撃を仕掛けたり、スパムやフィッシング詐欺メールなどの送信に用いられる状態のPCを指す。これらゾンビ化したPCが構成するネットワークは「ボットネット」などと呼ばれている。
多くの場合ユーザーは、自らのPCがゾンビ化していることには気づかない。しかしゾンビPCが吐き出すトラフィックの量は大きな割合を占めており、スパムのうち80〜90%がゾンビネットワークによるものだという統計もある(関連記事)。
CipherTrustではこれまでも、メールセキュリティアプライアンス「IronMail」を通じて得られる情報をベースに、ゾンビPCに関する調査を行ってきた。4月20日に公表された同社の調査結果によれば、1日当たり平均で15万7000台ものゾンビPCが新たに発見されており、うち20%強を中国が占めていた。
同社によると、ゾンビPCの動向は日ごとに変わるものだという。3月松から4月にかけての時期には、中国ベースのゾンビPCがかなりの割合を占めていたが、4月は中国および米国で多くのゾンビPCが発見された。さらに5月に入ってからはヨーロッパ諸国で新たなゾンビPCが多く観測されたという。
ZombieMeterでは、世界地図上からゾンビPCの数の増減をグラフィカルに確認できるほか、ゾンビPCが多く検出されている国や地域が確認できる。これによると日本のゾンビPCが占める割合は4%で、ワースト7位となっている。
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