IBMがOpteron搭載ブレードを投入へ

IBMは今週、同社初のOpteron搭載ブレードサーバを発表する。IBMの製品ラインを見ると、Opteronの採用をハイパフォーマンスコンピューティングの分野に限定していることが分かる。(IDG)

» 2005年06月20日 17時05分 公開
[IDG Japan]
IDG

 IBMは今週、同社初のOpteron搭載ブレードサーバを発表する。ハイパフォーマンスコンピューティングを必要とする金融業界や科学技術分野などの顧客のためにハードウェアの選択肢を増やすのが狙いだ。

 Opteronベースの「LS20」はIBMのBladeCenter用で、IBMがAMDプラットフォームを採用したシステムとしては3番目(サーバとしては2番目)である。さらに同社は、32/64ビットのOpteronプロセッサを採用したラックマウント型サーバとワークステーションも提供する。

 IBMは2003年7月に「eServer 325」を投入し(関連記事参照)、大手システムベンダーとして初めてOpteronサーバをラインアップに加えた。しかしその後、SunおよびHPがOpteronを本格的に採用し、広範な種類のAMDサーバを提供するようになった。HPは今年、2機種のOpteron搭載サーバ「BL25p」および「BL35p」を発表した。

 Illuminataのアナリスト、ゴードン・ハフ氏は、「HPはIBMよりも広範囲にOpteronにフォーカスしている。IBMは、Opteronの採用をハイパフォーマンスコンピューティングの分野に限定している」と指摘する。

 それを物語っているのが、IBMがプリパッケージされた「eServer Cluster 1350」の主要部分としてLS20を位置付けていることだ。

 また同社は、Cluster 1350に対応したスイッチ/インターコネクトオプションも拡大すると発表した。IBMによると、同クラスタは「Topspin InfiniBand」スイッチに加え、最大10Gビット/秒の帯域幅を提供するスケーラブルな「Voltaire InfiniBand Switch Router 9288」などもサポートする予定だという。Voltaireルータは、データセンターのサーバ間およびNAS(Network Attached Storage)間でトラフィックを効率的にルーティングすることを可能にする。

 バッファロー大学のCenter of Excellence in Bioinformaticsでディレクターを務めるジェフリー・スコルニック氏は、新薬の開発でタンパク質の構造と機能を予測するアルゴリズムを実行するために、約1年前からCluster 1350を使っている。

 Cluster 1350は同センターの従来のクラスタと比べると2倍以上の速度であり、スコルニック氏は、LS20ノードを使ってパフォーマンスを検証する予定だという。

 Cluster 1350はLS20のほか、新しいデュアルコアOpteron搭載「eServer 326」をサポートする。管理/ストレージノード用の「eServer OpenPower 710」と「同720」もサポートするため、すべてPowerベースのクラスタを構築することも可能だという。

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