パワードコムは7月より、従来の電話番号(OAB〜J番号)をそのまま利用できるIP電話サービス「Powered IP Business Phone」を開始する。
パワードコムは6月30日、同社の広域イーサネットサービス「Powered Ethernet」を利用中のユーザー向けに、従来の電話番号(OAB〜J番号)がそのまま利用できるIP電話サービス「Powered IP Business Phone」の提供を7月1日より開始すると発表した。通話料は、加入者同士が無料で、国内一般加入電話へは全国一律3分8.4円となる。
Powered IP Business Phoneは、広域イーサネットサービスと共通のインフラを利用して、従来一般加入電話で利用してきた内線や外線電話をデータネットワークに統合できるサービス。可用性99.999%をうたう同社の広域イーサネットインフラをベースに、QoSもパワードコムが行う。また、IPセントレックス機能もオプションで用意しているため、従来各企業が用意しなければならなかったPBX(構内交換機)をアウトソースすることも可能だとしている。
Powered IP Business Phoneを申し込むと基本的には050番号が付与され、ユーザーの要望に応じて、「OAB〜J番号」やIPセントレックス機能も追加することができる。また、ユーザーの要望次第では、ルータやVoIPアダプタなどを組み合わせて、ネットワーク設計から保守までを請け負う個別ソリューションにも対応可能だという。
パワードコム マーケティング・商品統括本部 IPテレフォニー商品企画部長 大貫祐嗣氏は「既存回線の活用を促しARPU(加入者1人当たりの月間売上高)向上や、いわゆる囲い込みも狙いの1つとして挙げられる」と説明した。
大貫氏によると、同社の広域イーサネット網とフュージョン・コミュニケーションズのVoIP網を接続したことにより、このサービスが実現したという。従って、VoIP網との接続料も無料。申し込みから開通まで1.5カ月〜3カ月の短期間導入を実現した。
同氏によると、「当社が行ったアンケートによると、『音声のIP化を検討中』というユーザーが約8割いた。また、『音声とデータを重畳したい』という声も65%あった」と説明し、多くのユーザーの希望によって、今回のサービスを開始したと語った。
パワードコムでは、今後同社のインターネットサービス「Powered Internet(POINT)」へサービス対象を拡大するほか、大きな帯域幅を必要としない小規模向けに光回線を利用したサービスを検討中だとしている。大貫氏は、「5月に実施したイベントで当社は、インフラを1本にまとめ、ゲートウェイ部分でさまざまなアプリケーションを提供する『One Network構想』を提唱した。このサービスはそのアプリケーション第1弾となるものだ」と説明した。
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