サイボウズの研究開発子会社、サイボウズ・ラボが、Palmscapeの開発者にしてIPAの天才プログラマ/スーパークリエータ認定を受けている奥一穂氏を社員として迎えた。
サイボウズの研究開発子会社、サイボウズ・ラボは8月16日、Palm OS用Webブラウザ「Palmscape」などのソフトウェア開発で世界的に有名な奥一穂氏を社員として迎えると発表した。奥氏は同日入社した。@ITの取材に対して奥氏は、「RSSをはじめとするWeb 2.0の技術開発やアプリケーション開発に取り組んでいきたい」と抱負を述べた。
サイボウズ・ラボは世界で通用するソフトウェアを開発することを目的にサイボウズが設立した新会社で、8月1日に業務を開始した。代表取締役社長はサイボウズ最高技術責任者の畑慎也氏が就任した。奥氏、畑氏を合わせて現在の社員は4人。
奥氏は東京大学在学中の1997年にPalmscapeを開発。米マサチューセッツ工科大学(MIT)発行の技術専門誌「Technology Review」が選んだ若きトップイノベータ100人に、国内のエンジニアで唯一選出された。2005年5月には、未踏ソフトウェア創造事業のプロジェクト「Webアプリケーション(Apache/Perl)統合開発環境の開発」で、情報処理推進機構(IPA)から「天才プログラマ/スーパークリエータ」と認定された。
サイボウズによると、サイボウズ・ラボ社長の畑氏が未踏ソフトウェア創造事業の開発に注目。声をかけたことから入社が決まった。
畑氏は「ソフトウェア開発の豊富な知識や経験を持つ奥氏をサイボウズ・ラボの社員として迎えることにより、さまざまなアイデアやアドバイスを受け、世界に向けたソフトウェアの研究開発をさらに促進させていきます」とコメントしている。
奥氏はサイボウズ・ラボ参加の経緯を「RSS関連や情報共有の将来像など、話が広がる中で、ラボに参加させていただくことになりました」と説明。サイボウズ・ラボの魅力として、「IT業界の中でよくありがちなサービス企業ではなく、テクノロジを重視する企業であること」「余裕のある環境で(テクノロジの)研究開発に専念できること」「優秀な技術者と切磋琢磨できること」を挙げた。
7月25日に行った説明会で畑氏は、サイボウズ・ラボの開発テーマとして、「WebアプリケーションやWebサービス、RSS/Atomフィード、セマンテックWebなどを情報共有ソフトウェアに入れていくとどういう製品になるかを考えていく」と述べていた。
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