そろそろ地震に備えませんか? 帰宅ルート検索サービス

セコムのグループ企業であるパスコは、都心の勤め先から自宅まで、よりリスクが低いと想定される帰宅ルートを検索・表示できる「帰宅支援マップサービス」を提供する予定だ。

» 2005年08月17日 22時04分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 8月16日午前11時46分ころ、宮城県沖で震度6弱(マグニチュード6.8)の地震が発生した。わずか3週間前(7月23日)には関東地方で震度5強の地震が発生し、交通機関がマヒしている。

 東京都の報告書によると、大地震が発生して交通機関がストップした場合、都内滞在者のうち、自宅まで帰ることが困難な者は約371万人に上ると予測されている。このような日中に大地震が発生した場合に備えて、家族/知人との集合場所を決め、会社や自宅からのルートをキチンと調べたことがあるだろうか。

帰宅支援マップ 「帰宅支援マップサービス」のサービスイメージ

 セコムのグループ企業であるパスコが9月1日から提供予定の「帰宅支援マップサービス」は、よりリスクが低いと想定される帰宅ルートを検索・表示できるサービスだ。東京都が調査した情報などを基に、ルート解析技術やGIS(地理情報システム)技術を利用して徒歩で帰宅する際のシミュレーションを行い、ルート情報などを提供する。

 基本的に都内に事業所を持つ企業内での利用を想定しているが、個人向けにASP方式での提供も予定している。

 具体的には、PC上で「出発地」と「目的地」を任意に指定すると、2地点間における「よりリスクが低いと想定される帰宅ルート」を解析し、地図上に表示する。大地震発生時の徒歩帰宅には、通常時の何倍も時間が要することが想定されるため、給水や休憩、宿泊が必要になる可能性もある。このため、ルート沿いの給水所や避難所、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、帰宅支援ステーションなどの位置も表示している。

 データには、東京都が実施した「第5回地震危険度測定調査」の建物倒壊危険度や火災危険度、非難危険度、総合危険度などを収録。これらのデータを基に総合危険度の低い地域や都の定めた帰宅支援道路を優先的に利用するような検索が可能となっているほか、危険度別に色分けして、視覚的な配慮もされている。

 パスコによると、帰宅支援マップサービスによって、企業は従業員に対して、あらかじめ帰宅ルートを提示できるという。また、帰宅困難者の人数を把握して防災備蓄品の保存数量などを決定できるなどのメリットも紹介した。

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