BEA SystemsのCTO、スコット・ディッゼン氏を引き抜いたオープンソースの新興企業、Zimbra(旧社名:Liquid Systems)が企業向けのコラボレーションソフトウェアのβ版をリリースした。カリフォルニア州サンマテオの同社は、IBMのLotus NotesやMicrosoftのExchange Serverといった製品に対するオープンソースのオルタナティブとして新しいソフトウェアを売り込む。
Zimbraは9月7日、「Zimbra Collaboration Suite」には電子メール、住所録、カレンダーの機能が含まれると同社Webサイトで明らかにした。また、同スイートにはAJAX(Asynchronous JavaScript and Extensible Markup Language)のクライアントおよびサーバソフトウェアも含まれる。Zimbra固有のコードのほか、MySQLやApache Software FoundationのLucerneインデクシングソフトウェアといった多くのオープンソース製品を採用している。
AJAXは、Webの閲覧にさらなるスムーズさ、ダイナミックさをもたらすべくデザインされたインターネット技術群だ。Zimbraからブリーフィングを受けたRedMonkのシニアアナリスト、スティーブン・オグレディ氏によれば、これをコラボレーションソフトウェアで利用することで、どのブラウザからもアクセスできるフル機能の使いやすいメッセージングソフトウェアを開発したいと考えているという。
広く使われている企業向けメッセージング製品はこの点が弱く、いつもWebブラウザでうまく機能するわけではない。Webベースのネットワークではなく、クライアント/サーバ向けにデザインされたからだとオグレディ氏は指摘する。
「この分野ではイノベーションが切に求められていた」と彼女。
GoogleのGmailサービスでは、スペルチェックや検索のような先端機能を組み込むためにAJAX技術を利用している。Zimbraもまた、同じ手法の幾つかを取ろうとしているとオグレディ氏は話す。
同社Webサイトによれば、今後数週間のうちに同社はZimbra Networkというサポートなどを含むサービスをローンチするというが、価格は発表されていない。
オープンソースのコラボレーション製品は、Zimbraが初めてというわけではない。2月、NetMailサーバのコードをHulaと呼ばれるコラボレーションサーバプロジェクトの一環として公開した。ScalixやLotus創設者、ミッチ・ケイパー氏のOpen Source Application Foundationもまた、この分野に参入している。
ZimbraのCEOは、サティッシュ・ダーマラジ氏。彼はモバイル向けソフトウェアベンダー、Openwave Systemsの副社長としてメッセージング製品を担当していた。また、Sun Microsystems時代にはJava Server Pagesの開発をリードしたことでも知られている。
Zimbra Collaboration Serverは、Fedora Core 3とRed Hat Enterprise Linux 4という2つのバージョンのLinuxで動作する。クライアントは、Windows、Mac OSおよびLinuxで動作するFirefoxとInternet Explorerからアクセスできるという。また、同スイートにはOutlookやApple Mailといったメーラーからもアクセスできるという。
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