コラム
» 2005年09月08日 22時21分 公開

マサチューセッツ州の対MSの戦いに勝ち目はない (1/2)

マサチューセッツ州は先日、オフィス文書の標準としてOpenDocumentを支持し、Microsoft Officeの利用を段階的に縮小していく方針を明らかにした。しかし、これが現実のものとなる可能性は低いと見られる。

[David Coursey,eWEEK]
eWEEK

 保管公文書に対して「オープン」なフォーマットを義務付けるというマサチューセッツ州の方針は、Microsoftにほとんど打撃を与えないように思える。

 州の公文書の保管に対して「オープン」なフォーマットの使用を義務付けるというマサチューセッツ人民共和州の決定は不可解だ。これは、情報のアクセス性を高めるという殊勝な目的のためではなく、むしろMicrosoftを罰するのが狙いのように思える。

 とはいえMicrosoftは、ファイルフォーマットをオープンにするようにというマサチューセッツ州の要求を受け入れるべきだ。同州がそれを要求しているからというのではなく、そうしない理由がないからである。

 マサチューセッツ州のピーター・クインCIO(最高情報責任者)は、2007年1月1日以降に州の職員が作成する文書で許可される2つのフォーマットを指定した(関連記事)。OpenOffice 2.0で採用されている「OpenDocument」フォーマットおよびAdobe AcrobatのPDFフォーマットである。PDFは基本的に読み込み専用のフォーマットであるため、日常的な文書保管には主としてOpenDocumentが用いられるものと思われる。

 クイン氏の指令によると、無償のリーダーソフトだけでなくWordPerfectやOpenOfficeなどの競合アプリケーションにもサポートされているMicrosoftのフォーマットは「オープン」ではなく、2007年の期限以降は州職員はこれを使用することができなくなる。

 観測筋の間には、この決定の背景には、デスクトッププロダクティビティスイートの標準としてOpenOfficeの採用を進めるという同州の方針があるという見方もある。だが、MicrosoftがOpenDocumentフォーマットを読み書きする機能をMicrosoft Officeに追加すれば、同製品が州政府機関のデスクトップにとどまることができるかもしれない。もちろん、Microsoftが既存のファイルフォーマットをオープンにして、だれでも利用できるようにする可能性もある。

 処罰という見方について言えば、マサチューセッツ州は連邦政府と共にMicrosoftを提訴した州グループの一員だったことを思い起こしてもらいたい。この訴訟は、Microsoftがほとんど咎めを受けることもなしに決着した。またマサチューセッツ州は、フリーソフトウェア運動の本拠地(しかも発祥の地)でもあり、クイン氏の反Microsoft的な決定がフリーソフトウェア陣営に有利に作用するのは明らかだ。

 筆者は、クイン氏がその方針を実施できる可能性は低いと考えている。

 筆者がそう思う理由の1つは、マサチューセッツ州政府を含むほとんどの企業や組織が既に利用しているファイルフォーマットには何も問題がなく、技術の進化に対応した移行パスを提供しているからだ。

 そのファイルフォーマットというのは、Microsoftのフォーマットである。それらはオープンではないかもしれないが、非常に広範に普及している。筆者は何年もの間、Microsoftのドキュメントを開けないので困っているという人にお目にかかったことがない。

 それに、WordPerfectやOpenOfficeがMicrosoftのファイルも開けるのであれば、Microsoftのフォーマットが堅く閉ざされているとは言えない。政府の業務に限らず、どの企業の業務にとっても、Microsoftのフォーマットは「十分にオープン」であると筆者は主張したい。もちろん、クイン氏は同意しないだろうが。

 OpenDocumentで今日作成されたファイルが20年後、Microsoftのデータフォーマットで作成されたファイルと同じくらい簡単に開けるとは思えない。20年後にOpenDocumentフォーマットが存在していたら筆者は驚くだろう。MicrosoftがOpenDocumentをサポートすれば話は別だが。

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