MS対Googleの幹部引き抜き訴訟、制限付きでリー氏の就労認める

Googleに入社した元MS幹部をめぐる訴訟で、制限付きでの就労を認める判決がMSの本拠地で下った。両社ともに「勝利宣言」をしているが、Google本拠地での裁判はこれから。

» 2005年09月14日 07時24分 公開
[ITmedia]

 米GoogleがMicrosoftから幹部を引き抜いたことをめぐる裁判で、ワシントン州の裁判所は9月13日、職務を限定した上で、焦点の人物カイ―フー・リー氏がGoogleで働くことを認める決定を言い渡した。

 同日の仮命令でワシントン州キング郡裁判所のスティーブン・ゴンザレス判事は「本審理までの間、リー氏が中国でGoogle開発施設の確立と人材採用に当たることを禁じる法的あるいは公正な権限がMicrosoftにあるということを、(Microsoftは)十分に証明できなかった」と認定した。

 一方で、インターネット検索、デスクトップ検索、モバイル検索を含むコンピュータ検索と、自然言語処理・音声技術に関連した業務、およびGoogleが中国で計画している施設で行う研究開発の定義と予算策定にリー氏が参加することは禁じると言い渡した。

 また、同氏がMicrosoftの社員をGoogleに誘ったり引き抜いたりすることも禁じられている。

 この裁判はGoogleにリー氏を引き抜かれたMicrosoftが提訴し、同氏がMicrosoft入りした時点で交わした雇用契約には非競合条項が盛り込まれており、Googleへの転職はこれに違反すると主張。裁判所は先に、リー氏がGoogleで働くことを一時的に禁じる内容の仮命令を言い渡していた。13日の仮命令は、6日と7日に開かれた審問を受けて言い渡されたもので、本審理は来年1月に行われる予定。

 Googleはブログの中で、13日の判断を歓迎していると表明、リー氏は中国の研究開発センター構築と人材採用、政府との関係確立といった仕事に直ちに着手するとしている。

 Microsoftも「本日の法廷での勝利をうれしく思う」と勝利宣言。「今回の禁止命令はMicrosoftが7月に勝ち取った一時的な命令よりも広範にわたる」と指摘し、リー氏がMicrosoftにいた当時から「Microsoftに誤解を与え」、秘密情報を不正利用したと裁判所が認定したことも歓迎すると述べている。

 Googleはカリフォルニア州の裁判所にもMicrosoftを反訴しており、同州と中国で働く従業員にワシントン州の雇用契約を適用することはできないと主張している。こちらの裁判は10月14日に口頭弁論が開かれる。

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