NTT、高信頼性Linuxシステムを実現する新ファイルシステム「NILFS」を公開

NTTは、自動的かつ連続的にスナップショットを取得することができるLinux用のファイルシステム「NILFS」を開発し、GPLに基づきオープンソースソフトウェアとして公開した。

» 2005年09月27日 00時00分 公開
[ITmedia]

 NTTは9月26日、自動的かつ連続的にスナップショットを取得することができるLinux用のファイルシステム「NILFS」(The New Implementation of a Log-structured File System)を開発し、GPLに基づきオープンソースソフトウェアとして公開した。サービスを停止することなくスナップショットを取得できるため、障害が発生した場合でも迅速に復旧作業を行え、システムの信頼性向上につながるという。

 NTTのサイバースペース研究所ではこれまで、Linux OSやミドルウェアの高信頼化/高機能化に取り組んできた。2005年2月には、その成果の1つである「高信頼ファイルシステム」の機能要件が、オープン・ソース・デベロップメント・ラボ(OSDL)が発表した「OSDLデータセンタLinux仕様1.1版」に採用されている。

 今回発表されたNILFSは、この高信頼ファイルシステムの要件を満たすとともに、オペレーションコストの削減も図るよう開発されたものだ。

 特徴としては、記録済みデータへの上書きを行う代わりに、データの追加や変更分をディスク上の空き領域にチェックサム付きで追記する方式を採っていることが挙げられる。これにより、データ破壊の確率を低めるとともに、書き込み性能の向上を実現した。たとえば、データベースサーバへのログ出力のようなファイルの保存に最適だという。

 また、一連のトランザクションが完了した時点で、時刻情報付きのスナップショットを自動的かつ連続的に生成する。このため、サービスを停止することなくスナップショットを取得でき、万一障害が発生した際にも瞬時のリカバリが可能という。

 NILFSではさらに、ファイルシステムの管理にB-Treeを採用することで、サイズの大きなファイルや多数のファイルの処理を効率化した。

 NTTではNILFSによって、Linuxをベースとしたシステムの信頼性を大幅に向上できるとしている。NILFSのソースコードは同プロジェクトのWebページより入手可能。プロジェクトでは引き続き開発を進め、機能や性能、品質の向上に取り組むとしている。

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