「サービスインフラ」「Blend」「JVM」──BEAが取り組む革新BEA World 2005 Santa Clara Report(1/2 ページ)

BEA World 2005は2日目を迎え、BEA Systemsのマーク・カージスCTOが基調講演を行い、「サービスインフラ」「オープンソースとの連携」、そして「JVM」という同社の取り組みを紹介した。

» 2005年09月29日 09時16分 公開
[渡邉利和,ITmedia]

 米国時間の9月28日、シリコンバレーのサンタクララで開催中の「BEA World 2005」は2日目を迎え、BEA Systemsのマーク・カージスCTOが基調講演を行い、同社のSOA戦略を支える技術群を紹介した。

BEAのCTOを務めるカージス氏

 カージス氏は、BEAのSOA戦略を支える技術面での状況を「サービスインフラの必要性」「オープンソースとの連携」(Blend)、そして「JVM」の3つの領域に分けて説明している。

 サービスインフラとは、BEAのSOA戦略の中でも重要な位置を占めるもので、同社にとって、より基本的かつ包括的な取り組みとなる。

 「アプリケーションインフラがビル建築のようなものだとすれば、サービスインフラは都市計画に相当する」とカージス氏は話す。

 個々のサービスが利用するデータをそれぞれが保持していると、サービス間の連携を行う際に相互変換などの処理が個別に発生し、複雑で手間の掛かる作業が必要になる。しかし、こうしたデータをメタデータ化してサービスインフラに格納し、各サービスがサービスインフラと相互にやり取りするようにすれば、サービス連携に掛かる手間を最小化でき、システムの構成を簡素化できる。

 そこで、複数のサービスで共有されるインフラサービスを抽出すると、サービス間の通信(ESB:Enterprise Service Busによるメッセージング)、ストレージアクセス(データサービス)、そしてセキュリティなどの要素が考えられる。こうしたサービスインフラを構築するためのミドルウェアとして、BEAが用意するのが、「AquaLogic」製品ファミリーだ。

 BEA WebLogic Serverとの違いに注目すると、AquaLogicは「コードフォーカス」ではなくサービス間連携の支援に焦点を当てている。個々のサービスの実装ではなく、サービスとサービスを統合するためのインフラを提供することが分かる。これが、BEAがAquaLogicを提供し、SOAのプラットフォームとして強力に推進している理由だ。

BEAが描く「サービスインフラ」のアプローチ

買収でオープンソースとの連携も強化

 「Blend」という発想でBEAが推進するオープンソースソフトウェアとBEA製品との連携強化に関して、M7を買収することも発表された。同社はEclipseベースの統合開発環境「NitroX」を開発・提供するベンダーだ。

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