インタビュー
» 2005年09月30日 12時19分 公開

IFS World Conference 2005レポート:製造業のグローバルソリューションを支えるNEC

スウェーデンのイエテボリで開催された「IFS World Conference 2005」には日本からは、ソリューションプロバイダーとしてIFSと協業しているNECが参加。同社の幸田好和氏に話を聞く。

[ITmedia]

 スウェーデンのERPベンダー大手のIFSは、年次のユーザーカンファレンス「IFS World Conference 2005」をスウェーデンのイエテボリで9月19日から2日間にわたって開催した。世界からさまざまなユーザー企業やパートナーなどが集まる中、日本からは、ソリューションプロバイダーとしてIFSと協業しているNECがスポンサーとして参加するなど、数社が参加した。NECは2004年3月にIFSと資本提携している。

 日本の製造業の現場を支えるシステムを構築するソリューションプロバイダーとして、NECがIFSと協業する狙いは何か。NECの第4ソリューション事業本部 副事業本部長を務める幸田好和氏に話を聞いた。

幸田氏。

NECの考える製造業向けソリューション

ITmedia NECとIFSの協業をどのようにとらえていますか?

幸田 IFSとの協業は、当社の社長の金杉とIFSのトップとの親交で更に加速されました。ERPパッケージには、(SAPやOracleなど)会計をコアにして情報を管理するものと、組み立て製造業などの生産管理機能に強みを持つものと、大きく2つの流れがあります。

 多くのパッケージアプリケーションからIFSを協業相手として選んだ理由は、後者の製造業向け機能を重視したパッケージの製品開発戦略や互いの企業文化との相性を総合的に評価したからです。

ITmedia 日本は製造業が産業の中心になっており、各社はコア業務として製造部分には自社システムをつくりこんできた経緯があります。そういった環境の中で、いわゆる作りこみのシステムと、パッケージアプリケーションとの違いについてどう感じていますか。

幸田 システムの最終的な姿は結局は顧客企業の意向によりますが、日本を代表する大手製造業でシステムを独自に内製化することで自前の強さを仕組みとして残そうとする企業がある一方、パッケージをコアのベースとして選択する企業が多数を占めるのも実情です。たとえば、製造業におけるMRPなどは、基本エンジンはもう数十年も変わっていません。このことからも、適応力を持つソリューションベンダーがコアとなる質の高い製品を提供すれば、作り込みのシステムよりもユーザー企業にとって高い投資効果を得られると考えています。

IFSは製造業に強いアプリケーション

ITmedia IFSのようなパッケージを導入して成功する典型的なユーザー企業の特徴について教えてください。

幸田 典型的な導入業務としては生産管理が挙げられます。そこでは、在庫の受け払いという基本業務を管理する必要があり、モノと情報を同期させなくてはなりません。需要予測などの計画系も1つですが、工場や倉庫における実在庫を的確に管理するような実行系システムとして導入するケースで高い評価を得ています。また、製品を作る上での基本情報であるBOM(部品表:Bill Of Materials)をベースにした在庫管理も得意領域です。

ITmedia NECがIFSを導入した先には具体的にはどんな企業がありますか?

幸田 ハイテク業界や産業機械、自動車部品などの組み立て製造業のお客様が多いです。国内外で多数の導入実績がありますが、国内ではモニターメーカーのナナオ様、新キャタピラー三菱様、東陶機器様などの事例を公開しています。海外では、Isuzu Philippines Corporation様へ導入しており、今回のカンファレンスでも事例発表しています。

 海外シフトによるコストダウン、グローバルなサプライチェーンによる調達・物流業務の効率化など、グローバルレベルでの業務革新を求められているお客様には、すばやく構築でき、かつ、変更にも柔軟に対応できるグローバルなソリューションが求められています。NECではそのようなニーズをお持ちのお客様にIFSを提案しています。

今後の情報システムの潮流について

ITmedia メインフレームの技術者が一斉に定年退職するいわゆる2007年問題により、企業の情報システムに変化が迫られるとの指摘があります。そうした外部要因も含めて今後のユーザー動向をどのようにとらえていますか?

幸田 2007年問題を製造業の観点から考えると、ものづくりの熟練工がいなくなるという点がポイントであって、必ずしも情報システムの話だけではありません。情報システムは、これまでも製造ラインの変化に対応してきているため、それほど問題にならないでしょう。

 トヨタ自動車をはじめ、自前のシステムを持つ企業は、そのリプレースをパッケージで行おうとは考えないでしょう。その信念はおそらく変わることはありません。

ケミストリーという感触

ITmedia ERP市場には、米国系の大手ベンダーもありますが、スウェーデン企業であるIFSと協業する上で文化面で何か感じることはありますか?

幸田 社長の金杉がIFSとは「ケミストリー(Chemistry)が合う」とよく言っていました。仕事をする上で、IFSの人と「ウマが合う」という意味です。

 今回のコンファレンスのキーノートでは、中国ペプシコーラのアンディ・リー前CIO氏が、「顧客とベンダーは結婚するようなもの」と言っていました。一般に、ユーザー企業は一度ERPを導入すれば長期間そのシステムを使うことになるため、ビジネスの継続性がキーワードになってきます。その意味で、継続性を意識し、思い入れを持って製品を開発していることがしっかりと感じられる点でも、IFSを評価しています。

 今回のカンファレンスで、リリースを発表したIFS Applications7に関しても、NECからも要件を出し、開発も一部担当するなど、今後も両社で製品開発面での連携を強化して行きます。協業相手とウマが合うというのは、非常に大切なことではないでしょうか。

IFSジャパンのステファン・グスタフソン社長

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