グローバル中堅企業はビジネスモデルの標準化で飛躍する「次世代」中堅企業はITで利益を出す(2/3 ページ)

» 2005年10月03日 07時00分 公開
[ITmedia]

従来のテンプレート方式の欠点

 企業が自社のシステムを海外子会社に横展開する場合の手法として、まずERP上で共通業務機能のテンプレート化を行い、各国ごとにインスタンスを作成し、テンプレートをベースに各国ごとに異なる会計制度や商習慣に対応して個別開発する手法を取る場合が多い。

従来型のテンプレート方式。

 だが、この手法には、各国ごとに異なるシステムができてしまい、数年後には本社がコントロールできなくなってしまうほど、各拠点で異なるシステムが構築されてしまうという単純な欠点がある。各国で共通していたはずの機能でも、変更する場合にはテストやバージョンアップを個別で行わなくてはならなくなる。全体として見れば膨大なコストがかかってくるわけだ。

 結果として、ビジネスの変化に素早く対応することが困難になってくる。最終的には、各国が固有に持つ機能がさらに増え、時間とともに複雑性が増していくという悪循環を招いてしまうかもしれない。

 実際に、欧州のある企業は、全体の80%をテンプレート化し、28カ国にシステムを展開したが、5年後には国ごとに全く異なるシステムになってしまった。このため、欧州の中堅企業はすでに、統一テンプレートをベースにして各国の事情を考慮したカスタマイズを行うというシステム構築手法の危険性を認識しているという。

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