ミラクル、AsianuxベースのLinuxの最新版をリリース

ミラクル・リナックスはAsianux 2,0を同梱した新製品「MIRACLE Linux V4.0」を11月7日から出荷すると発表した

» 2005年10月07日 10時57分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 ミラクル・リナックスは10月6日、記者発表会を行い、同社と中国のRed Flag、韓国のハーンソフトが共同で開発しているOSであるAsianux 2,0を同梱した新製品「MIRACLE Linux V4.0」を11月7日から出荷すると発表した。

 佐藤武社長は、「アジアのニーズに合ったOSを作ることがAsianuxの狙い。そのためにさまざまなパートナーと協力しながら、Novell SUSEやRed Hatと並んで存在感を高めてきていきたい」と話す。

パートナーとの協業を強化し、Asianuxの普及を促したいと話す佐藤社長。

 また、この日はRedFlagのクリス・チャオCEOとハーンソフトのジョン・ジンビクCEOも姿を見せ、ともにアジア企業のローカルなニーズを満たすプラットフォームを提供できる点で、Asianuxという共同プロジェクトに意義があることを強調している。

 Asianux 2.0のポイントとしては、OSDLが定めたLinuxの標準仕様であるCGL(Carrier Grade Linux)2.0.2のプライオリティ1の機能をほぼ実装していることや、9月に公開されたLSB(Linux Standard base)3.0にも準拠し、標準化とアプリケーションの相互運用性を保証していることも挙げられた。

 また、Stratus FT、x86-64、Itanium 2、Open Powerなど、対応プラットフォームを拡大しているとともに、全体としていわゆるRAS(信頼性、可用性、保守性)を強化している点もアピールしている。

 一方、同社は、中堅中小企業(SMB)市場の開拓にも力を入れるという。新製品についても、Linux、Apache、MySQL、PostgreSQL、PHPなどのオープンソースソフトウェアの導入を図るユーザー企業向けに、1CPUのサーバ上での利用に限定した「MIRACLE LINUX One V4.0 -Asianux Inside」(ミラクル・リナックス ワン)を12月12日から提供する。通常版の6万円と比較して、3万6000円と価格設定で差別化を図っている点も特徴として挙げられた。

 この日は、同社と協業関係にある企業として、Stratus Technologies、東芝、NEC、日本ヒューレット・パッカード、日立製作所の担当者も発表会に出席し、幅広いパートナーシップを背景にMIRACLE LINUXのプラットフォーム展開が進んでいることをうかがわせた。

 東芝、PC&ネットワーク社サーバ・ネットワーク事業部長の姫野嘉忠氏は、「東芝とOracleの関係は古くから続いている。われわれのIAサーバであるMagniaをベースにOracleと親和性の高いMIRACLE製品をサポートしていきたい」と話している。

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