2025年の年間記事ランキングから、VMware製品群などの仮想化分野に関連するトピックを抽出。ランクインした記事からは、ユーザー企業が特定ベンダーへの依存を見直し、選択肢を持とうとする動きが浮かび上がりました。
2025年も「ITmedia エンタープライズ」をご愛読いただき、誠にありがとうございました。
年末特別企画として、2025年に公開された記事の中から、読者の皆さまによく読まれた記事を振り返る「2025年 年間記事ランキング」をお届けします(集計期間:2025年1月1日〜12月1日)。
今回お届けするのは、2025年のエンタープライズIT市場で引き続き大きな関心事となった、VMware製品群を中心とする仮想化分野にフォーカスしたランキングです。半導体ベンダーBroadcomによる買収後、VMware製品群のライセンス体系が変わり、コスト増加などの影響が広がっています。こうした状況を受けて、企業の間でITインフラ技術の見直しが進んだことが、ランキングの顔触れから浮かび上がってきます。
ランキング上位には、VMware製品群以外の選択肢を本格的に検討・採用する“脱VMware”をテーマにした記事が複数並びました。単なる動向紹介ではなく、具体的な手段を示す実践的な記事が目立ちます。複数社の脱VMware事例を取り上げた4位の「“脱VMware”だけじゃない 東芝、富士通、JRA、楽天銀行も挑むITインフラ刷新の実態とは?」、代替製品・技術を紹介した5位(同率)「NTTデータがVMware独占の仮想化基盤市場に参入 その思惑を考察」や7位「HPE VM Essentialsは『VMwareライセンス問題』の解決策になるか」が読まれたのは、VMware製品群のライセンス変更を受け、現実的な代替策を探す読者が多いことを示唆しています。
VMware製品群そのものへの関心も依然として強いことが、ランキングからは読み取れます。1位には、ハイパーバイザー「VMware ESXi」の無償版が再び利用可能になったことを報じた「約1年ぶりに復活 VMwareが『ESXi』無償版を再提供」、2位にはVMware製品群に関するBroadcomの戦略を取り上げた「2025年も脱VMwareは続く それでもBroadcomが強気の理由は?」と、トップ2を占めたのがVMware製品群やBroadcomの戦略を扱う記事でした。脱VMware関連記事を押しのけて、VMware製品群やBroadcomに関する記事がランクインしたことは、デファクトスタンダードとしてのVMware製品群に対する根強い関心を物語っています。ミッションクリティカル用途での実績と豊富な運用ノウハウは、依然としてVMware製品群の大きな強みであり、積極的に“活VMware”を選ぶ企業があるのは自然なことです。
「脱VMwareか、活VMwareか」という単純な二者択一ではなく、用途やリスク許容度に応じて、ITインフラ技術の在り方そのものを見直す機運も高まっています。8位の「『VMware騒動』の教訓をどう生かす? ベンダーロックインからの出口戦略を考える」は、ライセンス変更をきっかけに顕在化したベンダーロックインのリスクを整理し、マルチベンダー化や段階的移行といった現実的な戦略を提示した点が読みどころです。9位の「『VMwareの脱却、継続だけでは検討不足』 ITRアナリストが企業の現状と指針を示す」は、VMware製品群の是非にとどまらず、自社のビジネスモデルと中長期のIT投資・運用方針から、ITインフラの将来像を考える重要性を説いています。
ランキングが示す最大の示唆は、自社のITインフラ技術を特定ベンダーに委ねる時代が終わり、選択肢を持ち続けること自体が「リスク対策」になる点です。特定の製品を使い続けるにしても、並行して代替製品・技術を検証して移行シナリオを用意し、状況に応じて適切な選択肢に切り替える“出口対策”を持ち続ける――。これがITインフラ担当者にとって、最も現実的な戦略となりそうです。2026年には、こうした戦略を具現化した企業がどれほど現れるのか、新たな選択肢になり得る製品・技術がどこまで普及するのかに注目です。
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