オープンソースのロビー団体が旗揚げ

政府のIT事業においてオープンソース・ソフトウェアソリューションの採用促進を目指す対政府ロビー団体「NCOSPR」が発足した。

» 2005年10月17日 14時20分 公開
[Chris-Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 オープンソース・ソフトウェア業界は10月14日、新しい対政府ロビー団体を立ち上げた。この組織はNational Center for Open Source Policy and Research(NCOSPR)と呼ばれ、オレゴン州ポートランドで開催されたGovernment Open Source Conferenceのプレゼンテーションで発表された。

 非営利組織のNCOSPRは、政府のIT事業においてオープンソース・ソフトウェアソリューションの採用促進を目指す。NCOSPRの創設者でアドミニストレータを務めるジョン・ウェザーズビー氏によると、同組織はこの目標を達成すべく、政府機関とオープンソースコミュニティーが関係するプロジェクトの世話役兼管理人としての役割を果たすという。

 NCOSPRは、ミシシッピ州ハッティズバーグにある南ミシシッピ大学(USM)のキャンパス内にあるOpen Source Software Instituteによって運営され、「National Open Source Resource Center」「Academic Open Source Center of Excellence」「Open Source Public Policy Institute」という3つの部門で構成される。

 「リソースセンターとしてのNCOSPRの任務は、政府機関における「共通の技術ニーズ」を特定し、IT業界ならびに独立したオープンソース開発コミュニティーのリソース、アプリケーションおよび専門知識を活用してこれらのニーズにこたえることによって、公共に奉仕することだ」とウェザーズビー氏は話す。

 同氏によると、オープンソースの普及は相互運用性、標準化、製品ライフサイクルの長期化、ベストビジネスプラクティスを促進するという。また、プロプライエタリなライセンス、ベンダーロックイン、再利用不可能な開発手法がはびこる今日の世界では考えられない買収手法を促すことにもつながるという。

 アカデミックセンターとしてのNCOSPRの任務は、高度な教育と経済の発展を促進するために、学術コミュニティーへの影響力を拡大し、次世代のITプロフェッショナルおよび研究者を育成することだという。

 さらにNCOSPRは公共政策立案機関として、「公共部門のITコミュニティーにおいて、オープンソースの継続的普及と成長を促す開発/実装/買収ポリシーを作成するために、経験豊富で斬新なアイデアを持ったブレーンを雇い入れる予定だ」とウェザーズビー氏は話す。

 NCOSPRの管理オフィスはUSMのメインキャンパスに置かれ、ミシシッピ湾岸のJohn C. Stennisスペースセンターにある同大学のサテライトキャンパスに各技術オフィスが置かれる。さらに、NCOSPRの取り組みに参加する各政府機関や学術機関、業界パートナーのオフィスにも支部が設置される予定だ。

 NCOSPRは、公共助成金および個人/団体からの寄付、ならびに参加政府機関向けに実施する開発/サポートプロジェクトを通じて得る資金によって運営される。

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