コラボレーション基盤へと進化するMacromedia BreezeMacromedia MAX 2005 Report(1/2 ページ)

Macromediaでは、「Breeze」のようなビジネスユーザー向け事業の売り上げも15%近くを占め、その存在感を次第に高めている。Breezeは今後、データ同期のAPIも用意され、コラボレーション基盤へと進化する。

» 2005年10月19日 12時17分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 米国時間10月18日、カリフォルニア州アナハイムで開催中の「Macromedia MAX 2005」は2日目を迎えた。午前の基調講演では、デザインツール、ビジネスユーザー向け製品、およびモバイルという3部門の責任者がそれぞれステージに登場し、デモを交えながらその詳細を説明した。

 プロフェッショナルデザイナー向けのツールベンダーという印象が依然として強いMacromediaだが、直近の四半期ベースでみると、Webカンファレンシングやユニファイドコミュニケーションのためのソリューションである「Breeze」のようなビジネスユーザー向け事業の売り上げも15%近くを占め、その存在感を次第に高めている。

 Macromediaは7月、Flashプラットフォーム構想を発表し、Flash とその関連技術をコンテント、アプリケーション、そしてコミュニケーションのためのプラットフォームとして展開していくことを明らかにしている。

 「ライブのオーディオやビデオはもちろん、データの同期も人と人のコミュニケーションを豊かにしてくれる。われわれが着手しているのは氷山の一角に過ぎない」と話すのは、チーフソフトウェアアーキテクトを務めるケビン・リンチ執行副社長。

Macromediaのプラットフォーム戦略を語るリンチ氏

テレコム業界に食い込む

 テレコム業界のトレンドも新しい市場におけるMacromediaの成長を後押ししそうだ。

 テレコム向けソリューション部門のエリック・ワイス副社長は、ここへきてテレコム業界がコスト削減から増収増益を狙う成長路線へと方向転換しているとみる。

 「企業や個人を囲い込みたいテレコム各社は、フォーカスをこれまでのインフラ整備から、ブランドに関連付けられたユーザー体験へと移してきている。彼らに対してMacromediaは、豊かな体験、幅広いリーチ、そして迅速なサービス構築という高い価値を提供できる」とワイス氏。

 テレコム業界全体の市場規模は13兆ドルといわれており、このうちカンファレンシングやリッチメディアの市場を切り出しただけでも65億ドルに上るという。

 「豊かな体験やVoIPなど、テレコム各社が目指すところは、すべてMacromediaが得意とするところだ」(ワイス氏)

 特にワイス氏が担当するブロードバンド市場では、ビデオを利用した「Webカンファレンシング」、ガイド付きのショッピングサイトやカスタマーサービスサイトを構築する「ユニファイドコミュニケーションポータル」、および「ブロードバンドエンターテイメントポータル」という3つのソリューションを既に提供している。

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