堀江氏意気込む、「5年後に弥生をSAP、Oracleの領域へもって行きたい」(2/3 ページ)

» 2005年10月26日 16時42分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

平松社長は消極的

 一方、弥生の平松庚三社長は、「弥生からSAPに移ったユーザーはライブドアくらい」と堀江氏の発言に対応しながら、現状ではSAPやOracleといった大手ERPベンダーをライバルとして見据えることは現実的でないことを伝えている。

 同氏が挙げた“ライブドア効果”は、認知度の大幅な向上だ。弥生のビジネス領域における認知度調査の中で、「(商品名を何も見せずに)業務パッケージとして思い浮かぶ商品は?」といった非想起型の調査において、弥生会計は45%のシェアを記録、41%だった2位の勘定奉行を初めて上回ったという。

 一方で、あらかじめ数本の製品を見せた上で認知度の高い製品を選ばせる想起型の調査では、勘定奉行が98%を記録し圧倒的な1位だった。だが、弥生も、前年の56%から77%まで数値を伸ばしており、順調にブランド力が向上していることをアピールしている。(数字はいずれも電通Y&R実施のSETS調査)

 なお、一般的な市場シェアの数値として、本数ベースシェアでは、会計や販売など全製品を合わせたシェアが全体の38%(2002年は29%)だった。また、金額シェアは56%(2002年は49%)となり、いずれも順調に推移している。(BCK GfKデータより集計した同社資料)

 ただし、平松氏は、「業務用ソフト市場が横ばいか下降気味になっている印象がある。われわれのシェアが上がっているというよりは、他社が下がった結果の成長とも言える。そのため、今後は、NEシリーズを中心に30人以上の市場によりフォーカスする」と市場の先行きを危惧していることも垣間見せた。

 また、マーケティング面では、起業家向けの製品展開の第一弾として、「ホリエモンの起業家応援パック」を提供する。これは、弥生の会計、顧客などの製品と、ライブドアが販売している企業家セミナーのDVDがパックになっているもの。

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