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» 2005年10月31日 19時04分 公開

CrossOver Office新版の狙いはLinuxへの移行促進

CodeWeaversは、Linux上でWindowsアプリケーションを実行させる「CrossOver Office」最新バージョンを、ユーザーのLinuxへの移行をいっそう促進させるための「架け橋」にしていくという。

[IDG Japan]
IDG

 Microsoft嫌いを自認する人々の多くは、Linuxに鞍替えするまでに至っていない。お気に入りのWindowsソフトウェアが使えなくなれば困るのを知っているからだ。

 CodeWeaversのジェレミー・ホワイト氏は、こういった言い訳が通用しないようにしたいと考えている。

 同社のフラッグシップソフトウェアの最新版「CrossOver Office 5.0」では、LinuxユーザーがMicrosoft Office 2003を動作させることが可能となった。また旧バージョンのOfficeに加え、Microsoft VisioやInternet Explorer、IntuitのQuicken、Lotus Notes、Adobe SystemsのPhotoshopといったポピュラーなソフトウェアを動作させることもできる。

 10月25日に発表されたCrossOver 5.0には、仮想化されたWindowsの個別インスタンスを作成する「Bottles」と呼ばれる機能も備わっている。この機能を利用すれば、例えば、CrossOverで動作保証されたソフトウェア(Office 2000など)と、そうでないソフトウェア(Adobe InDesignなど)を同時に動作させても、後者が前者のアプリケーションをクラッシュさせる心配はない。

 CrossOver 5.0のスタンダード版の価格は、1ユーザーに付き39.95ドル。ネットワークに対応したコーポレート版の価格は、1ユーザーに付き69.95ドルとなっている。

 3年前にリリースされたCrossOver Officeは、2万ユーザーを抱える。その多くは個人ユーザーか小規模企業のユーザーだが、ホワイト氏によると、Cisco Systems、The Walt Disney、DreamWorks Animation、Pixar Animation Studios、インディアナ州政府などの企業/政府ユーザーもいるほか、カリフォルニア工科大学では全学生を対象とした包括的ライセンスを契約しているという。

 CrossOverは、オープンソースプロジェクトの「Wine」をベースとする。Wineは10年前から存在する技術で、Linux上でWindows環境を実装する機能を提供する。

 ホワイト氏によると、「Win4Lin」や「VMware」といったWindowsエミュレータに比べると、CrossOverは依然として、不具合があったり、ソフトウェアをクラッシュさせたりすることが多いという。

 同氏は、現在の技術的困難の理由として2つの問題を挙げている。オープンソースコミュニティーによるWineへの貢献はあるものの、わずか20名の従業員でCrossOverを開発していること、そして現在出回っているさまざまなバージョンのLinuxに対応させる必要があることだ。

 「Linuxの世界はまさに悪夢だ」と同氏は話す。

 CrossOverのメリットは、ライバル製品とは異なり、ユーザーがWindows XPを購入してLinux上で動作させる必要がないために、経費を節約できることだ。

 Linux向けのメインストリームデスクトップアプリケーションとしては、WebブラウザのFirefoxや、Sun MicrosystemsのプロダクティビティスイートであるStarOfficeなどがあるが、その数は非常に少ない。

 そのことが、「卵が先か、ニワトリが先か」という現在の状況につながっている。すなわち、ユーザーはソフトウェアが少ないためにLinuxへの移行をためらっており、一方ソフトウェアベンダーは、移行するユーザーが少ないためにLinux向けソフトウェアの開発をためらっているのである。

 ホワイト氏は、企業ユーザーおよび個人ユーザーがLinuxにスムーズに移行できるようにするCrossOverが、この難問の解決に貢献できると考えている。同氏の狙いが成功して、ソフトウェアベンダー各社がアプリケーションをLinuxに移植し始めれば、ホワイト氏のビジネスは成り立たなくなるが、同氏はそれでも構わないとしている。

 「われわれが架け橋になれれば良いと思っている」(同氏)

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