SOAという言葉は人々を混乱させるために生まれた?SOAでつくる変幻自在の情報システム(2/3 ページ)

» 2005年11月01日 15時06分 公開
[栗原 潔,ITmedia]

SOAは混乱の元?

 こう考えて見るとSOA(サービス指向アーキテクチャー)という言葉は、あたかも世の中を混乱させるために出てきたのではないかと皮肉の1つも言いたくなってしまう。

 SOAは「ソフトウェアを一枚岩構造ではなく、サービスというソフトウェア部品を活用して作りましょう」というきわめて当たり前の考え方であるにもかかわらず、ごく最近まで意味がよく分からないという声が多く聞かれていたのも、用語の多重定義性が理由であったかもしれない。

サービスは従来のソフトウェアコンポーネントとどこが違うのか

 ソフトウェアの部品化という考え方の歴史は、ソフトウェアという概念そのものの始まりからあるといってもいいだろう。オブジェクト指向プログラミングの話をするまでもなく、サブルーチンやOSのシステムコールもソフトウェアの部品化テクノロジーである。

 では、サービスは、過去におけるソフトウェア部品とどこが異なるのだろうか。「サービスとは○○のソフトウェア部品である」という定義の○○に入る言葉を考えてみよう。

 答えは人によってさまざまだが、以下のようなものが考えられる。

  1. サービスとは、独立して稼動するソフトウェア部品である。
  2. サービスとは、中粒度のソフトウェア部品である。
  3. サービスとは、(設計時ではなく)実行時にバインドされるソフトウェア部品である。
  4. サービスとは、インスタンスが1つであり、複数のプログラムから呼び出されるソフトウェア部品である。
  5. サービスとは、ビジネスプロセスの一部を実現するソフトウェア部品である。
  6. サービスとは、記述言語でインタフェースを定義されたソフトウェア部品である。

 どれも間違ってはいない。しかし、個人的に最も本質的なサービスの特性とは以下のものであると考えている。

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