Windows Vistaへの移行、いつ始めるべき?

Windows 2000ユーザーはXPユーザーよりも移行への猶予が短い。Microsoftは2010年までWindows 2000をサポートするが、ほかのソフトベンダーが同OSをサポートしなくなるかもしれない。(IDG)

» 2005年11月16日 17時01分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Gartnerは新しい報告書で、Windowsの次期版「Windows Vista」は2006年末にリリースされる予定だが、顧客は2008年まで同OSへの完全移行はしないだろうと顧客に伝えている。

 ただしGartnerは、一部メディアが伝えているように、2008年までWindows Vistaへのアップグレードを保留するようアドバイスしているわけではないと、先週公表されたこの報告書「Ten Reasons You Should and Shouldn't Care about Microsoft's Windows Vista Client」を書いた調査担当責任者マイケル・シルバー氏は11月15日の取材で語った。

 同氏は、もしも顧客が2008年まで待った場合、完全な導入には少なくとももう1年かかるだろうと述べている。従って同氏は、導入プロセスの完了を遅らせるだけなので、Vistaへの移行検討を2008年まで保留するようアドバイスしてはいないと話している。

 同OSを組織内に広範に導入するには、おおむね12〜18カ月かかると同氏は言う。「2008年までにテストを始めないと、2009年以降まで導入できないだろう。Windows Vistaの出荷時にテストを始めたら、たぶん2008年に準備が整うだろう」

 シルバー氏は、Windows XPを利用している顧客の方が、Windows 2000ユーザーよりもVistaにアップグレードする時間が少し多いことを認めている。Windows XPはまだしばらくは、サードパーティーのアプリケーションベンダーからのサポートを受けるだろう。まだWindows 2000を使っている企業は2010年までMicrosoftのサポートを受けられるが、そのときにはアプリケーションベンダーが同OSをサポートしなくなっているかもしれない。

 「Windows XPはMicrosoftだけでなくすべてのアプリケーションベンダーからサポートされているOSなので、(Windows 2000)より余裕がある」と同氏。だがWindows 2000の場合は、ほかのソフトベンダーからのサポートが既に「なくなり始めている」という。

 「たとえMicrosoftが2010年半ばまでセキュリティフィックスを提供しても、それよりも重要なビジネスアプリケーションを持っているのなら、いずれかの時点でWindows 2000からの移行を迅速化する必要がある」(同氏)

 Microsoft顧客のTelefloraでCTO(最高技術責任者)を務めるテリー・バイヤーズ氏は、同社はWindows XP Professional Editionを利用しており、Windows Vista向けの最初のパッチサイクルの後で同OSにアップグレードするだろうと話す。

 同社の典型的なOSアップグレードプロセスについて、同氏は「製品が安定し、ある程度のパッチがリリースされてから移行する」と語っている。

 バイヤーズ氏は、Vistaのリリース時には、ITやマーケティングなどデスクトップで同時に一連のアプリケーションを実行しなければならないスタッフをアップグレードさせ、それから全社的にデスクトップをアップデートすると付け加えた。

 「(新版と旧版を)混在した状況で走らせるのは当社ではよくあることだ。次にOSがリリースされたときに、わたしは導入する。だが、職級が一番低いスタッフの導入には3〜4カ月かかるかもしれない。それでまったく問題ない」(同氏)

 顧客がWindows Vistaにもっと迅速に効率よくアップグレードできるよう、Microsoftには支援できることが幾つかあるとGartnerのシルバー氏は言う。Microsoftは2世代前までの製品を確実にVistaで動作させるだけではなく、ソフトベンダーができるだけ迅速に旧版と現行版のアプリケーションの両方でVistaをサポートするよう手を打つべきだ。

 Microsoftはまた、手持ちのアプリケーションがVistaに対応していることを確認できるテストツールを顧客に提供するべきだとシルバー氏は語っている。

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