ERP、SCM、CRMで実現する中堅企業の戦略的なIT活用：「次世代」中堅企業はITで利益を出す（3/3 ページ）

[伊嶋 謙二，ITmedia]

プラスアルファの力を獲得したい

　しかし、これらの導入が進んでいるのは、あくまでも大規模で、ITに積極的に取り組んでいる企業が多いのが現状だ。こうした状況は経済的な優位性だけが要因ではない。中堅企業に比べて、大企業は最新ITソリューションへの感応度が高い。それは各ベンダーとの協力体制を構築した成果でもあり、自らがアクティブに情報を仕入れ、自社への適合性を模索してきた事実がある。

　特に今日、ベンダーが中堅企業とそういった協力体制や支援体制を組もうと動いているのは確かだ。中堅企業サイドが最低限の情報武装を整えたのなら、次なる「プラスアルファ」、すなわち強力な武器防具である戦略系ソリューションの情報をアクティブに収集するべきだ。もはや、他人事ととらえる時代ではない。

　次回は、プラスアルファの第一歩として、ベンダーサイドも注力しているERPの導入について掘り下げて考えることにする。ERPには第1回で紹介したように、中堅企業における関心度合が比較的高い部類にあった。関心に留まらず導入に踏み切る手段を明らかにしたい。