現在IT市場で最も注目を集めている企業群は中堅分野だ。実際に、この市場におけるIT導入の実態はどうなっているのか。調査資料をベースに考える。
伊嶋 謙二(ノーク・リサーチ代表)
現在IT市場で最も注目を集めている企業群は中堅および中小規模の企業である。ソフトおよびハードベンダーもそれぞれ、同市場に本格的な注力を表明している。中でも特に、中堅企業は高いターゲットゾーンとして見なされる傾向にある。
いわゆる中堅中小企業といわれる属性に明確な定義づけは難しいが、ここでは年商30億円以上100億円未満を中堅企業と定義してみる。そして、この上下の年商帯との違いを、調査結果を基に全6回にわって分析していく。そこから浮かび上がる中堅企業の悩みや課題を指摘し、その解決策を提案していきたい。
まず第1回、第2回では中堅企業のサーバやITソリューションの導入実態をノーク・リサーチの調査結果を基に紹介していく。(調査概要については終ページを参照のこと。)
年商30億円以上100億円未満の中堅企業のサーバ導入時期に関して言うと、「2000年以前」のサーバの初期導入済みが最も多く、29.8%となっている。
サーバは2000年以前の導入が多く、OSはWindows 2000 Server、部門導入進む
次いで高いのが、「2004年以降」導入の24.8%だ。Y2K(2000年問題)などの対応で1999、2000年導入企業が2004年にリプレースを行ったことも、「2004年以降」導入の多い要因となっている。
中堅企業はほかの年商帯の企業に比べて、2000年以前の導入が少なめで、2004年以降の導入が多いことは、リプレースが進行しているという意味でいい傾向だろう。(図1)
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