ERP、SCM、CRMで実現する中堅企業の戦略的なIT活用「次世代」中堅企業はITで利益を出す(1/3 ページ)

今回は「ITを戦略的に活用するとは結局どういうことなのか」を、3文字略語に少々うんざりしている人がいるのも承知の上で、ERP、SCM、CRMの観点から探ってみる。

» 2005年11月21日 00時00分 公開
[伊嶋 謙二,ITmedia]

  伊嶋 謙二(ノーク・リサーチ代表)

 今回は「ITを戦略的に活用するとは結局どういうことなのか」を明確にする。ERPSCMCRM、最近ではSOASOX法(米国企業改革法)など、3文字略語を挙げだしたら切りがないし、多少うんざりなさっている向きもあるだろう。

 それでもあえて、ここでは、中堅企業にとって戦略的なIT導入を考える上で必須となる3文字略語、ERP、SCM、CRMに注目していく。

 最近10年ほどの中堅企業におけるIT導入傾向を見ていると、基本的にはインフラの整備や情報系ソリューションの利用は進んだものの、戦略的ソリューションといわれるものは、ほとんど導入されていない。

 これは、中堅企業のIT化を考える上で最大の課題である。企業努力が足りないのか? はたまたベンダー、システムインテグレーターの提案力不足なのか? いずれにしても、この点を推し進めていくことを中堅企業におけるIT化の最大の課題とすべきだろう。

計画→調達→生産→販売→物流→保守/品質向上

 まずは、戦略系ソリューションであるERP、SCM、CRMの相関関係を解説したい。ここでは中堅企業のスキルうんぬんはさておき、まず戦略系ソリューション導入に向けた基礎知識を確認する。

 実は、これらのソリューションは相互に絡み合っており、正しく導入できれば、「計画→調達→生産→販売→物流→保守/品質向上」といったように、一連の業務サイクルを無駄なく効率的に形成することができる。

 ポイントを端的に示せば次の3つだ。

  • SCMによる工程管理の上でのコスト削減、在庫の減少
  • ERPによる各生産拠点と本社・支社とのリアルタイムな情報共有、一元管理
  • CRMによる効率的な営業、品質向上

 ここで、一つ一つを検証してみよう。

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