在庫管理はAccessでも十分できる――中堅企業IT化の道「次世代」中堅企業はITで利益を出す(2/4 ページ)

» 2005年11月22日 08時40分 公開
[杉山 正二,ITmedia]

大規模向けのSCMを入れる前に

 ただし、需要予測、発注計画、在庫管理に限った機能で十分な場合に、SCMアプリケーションを導入するほどのことはない。こういったソフトウェアは非常に割高であり、なかなかすべての機能を十分に活用することは難しいからである。われわれは、今でこそSCMアプリケーションであるManugisticsを需要予測と発注計画に使用しているが、ビジネスの開始後数年間は、Accessを使用した独自のシステムで同様の機能を実現し、一定の成果を上げていた。

 しかも3万点を超える商品の在庫管理と発注計画においてである。従って、SCMのような統合的で高価なシステムではなくても、上記のような機能を持ったアプリケーションを購入するか、簡単な機能の独自システムを開発すればいいだろう。

 需要量を算出するときに留意すべきことは、季節変動やキャンペーンなどの特殊要因を取り除くことはもちろんであるが、これ以外に、平均的な需要から大きくかけ離れた受注量(異常値)をどう見極めて、その影響を排除して算出するかについても注意しなくてはならない。これも過去のデータから、平均値とその分布具合を調べることによって、ある範囲外の受注量を異常値として排除することが可能になる。

 平均的な需要量を算出したら、安全在庫を設定し、それを下回ったら発注指示が出るような機能を組み込む。このときに、扱っている商品アイテム数が少ない場合には、個々に安全在庫を何日分とか何週間分とか設定することが可能であるが、アイテム数が多い場合には、個々に設定することは非常に難しい。そういった場合には、受注頻度によって商品をカテゴリー分けし、カテゴリーごとに安全在庫量を設定するとよい。

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