在庫管理はAccessでも十分できる――中堅企業IT化の道「次世代」中堅企業はITで利益を出す(3/4 ページ)

» 2005年11月22日 08時40分 公開
[杉山 正二,ITmedia]

現状把握と仮説

 われわれの例で見てみよう。細かい数値はノウハウなので公開できないが、概要だけならばつかんでもらえると思う。アールエスコンポーネンツは5万アイテム以上の商品を販売しているが、受注頻度に応じて、4カテゴリーに商品を分類している。そして、カテゴリーごとに、例えば、Aカテゴリーは安全在庫6週間、Bカテゴリーは8週間、といった具合に設定している。

 ただし、これも一度設定したらしっぱなしでは駄目である。カテゴリーの分類は毎月洗い替えしているし、安全在庫量も実際の欠品発生頻度をモニターすることによって、年に1、2度は変更したりしている。

 これまで見てきたように、在庫管理の基本は非常にシンプルであり、決して難しいものではない。ここでも肝心なことは、まず現在の自社の状況(在庫に関連することでは、受注量の推移、現時点の在庫量など)を正確につかむことである。

 そして、仮説(ここでは、安全在庫量、今後の受注量の予測など)を立てて、実際にそれに基づいて業務を行い、結果を検証(在庫量の推移、欠品率、などをモニター)することによって、仮説の正しさを確認したり、仮説を修正したりして、さらに精度を上げていくことである。非常に地道な作業の積み重ねであるが、最初に述べたとおり、きちんと実行すれば必ず成果が上がる領域なので、すぐにでもチャレンジしてほしい。

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