富士通フロンテックと富士通研究所が共同開発した「enon」は、案内、搬送、巡回などの作業支援ができるサービスロボットとして、主に商業施設での利用をターゲットに2005年9月から限定発売が開始された。
「an exciting nova on network」(ネットワークの躍動的な新星)という言葉の頭文字から名付けられたenon。専用ロボットのようにいずれかの機能に特化するのではなく、1台で案内、誘導、搬送、巡回など幾つもの仕事をこなすことを想定して作られている。
無線LANを搭載しており、必要情報をサーバから取得し、出力(発音)したり、ロボットに備えられているカメラから得られた画像情報をサーバ側に転送するなど、案内・誘導だけでなく、監視などの目的でも利用できる。
胴体部分にあるスペースを利用すれば、10キロまでの荷物の運搬も可能だ。ゴミ収集場所までの地図情報を持たせておけば、ゴミの運搬作業などかなりの部分をenonに任せることができるだろう。
愛知万博ではパビリオンで受付案内として活躍したが、12月1日から25日まで、千葉県八千代市にあるイオン八千代緑が丘ショッピングセンターでテスト運用されている。一般の商業施設でロボットが「従業員」として働くのは国内初だ。
今回の任務は、お客を見つけると近寄り、売り場の案内や商品情報を教えたりする。さらに荷物の運搬も行う。このテスト運用の結果により、イオンは本格導入を検討する予定だ。
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