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» 2006年01月13日 10時24分 公開

丸山満彦の「内部統制」講座:内部統制監査のポイントとは?

内部統制監査では、財務諸表に不正や誤びゅうが生じるのを予防・発見する内部統制が適切に整備されているか、また、適切に運用されているかを監査することになる。

[丸山満彦,N+I NETWORK Guide]

 財務報告を正しく行うための要素として、米国会計士協会の監査基準が挙げている内容は「実在性」「網羅性」「権利と所用」「評価と期間配分」「表示と開示」である。

 また、日本の公認会計士協会「監査基準委員会報告書第31号(中間報告)『監査証拠』」(平成17年3月31日)では、経営者の主張(アサーション)として下記に示す項目が例示列挙されている。

 なお、監査人は、経営者の主張(アサーション)を監査の立証命題(監査要点)として利用する。したがって、内部統制の監査においては、財務諸表にこれらの観点から不正や誤びゅうが生じることを予防・発見する内部統制が適切に整備されているか、また、適切に運用されているかを監査することになる。

1.実在性:資産および負債が実際に存在し、取引や会計事象が実際に発生している

 記帳されている取引が実際に存在しているということ。財務諸表で「売上高100億円」と開示されている場合、その会社には本当に売上高が100億円あるということである。つまり、架空取引(例えば架空売上)がないということである

2.網羅性:計上すべき資産、負債、取引や会計事象をすべて記録している

 実際に発生した取引がすべて記帳されているということ。財務諸表で「借入金100億円」と開示されている場合、その会社には100億円以上の借入金はないということである。つまり、隠ぺい取引(例えば隠し負債)がないことを指す

3.権利と義務の貴族:計上されている資産に対する権利および負債に関する義務が会社に帰属している

 資産として財務諸表に計上されているものは、所有権、使用権などがその企業に存在し、その利用によって役務を提供できるということ。負債として財務諸表に計上されているものは、将来に対する対価の支払いなどの義務を負っていることを指す

4.評価の妥当性:資産および負債を適切な価格で計上している

 資産および負債について、例えば将来の対価を受け入れおよび負担について、それぞれ見合った金額で計上されていること。売掛金の評価が典型だが、企業倒産などによって将来の回収額が帳簿計上額よりも少ないと見込まれる場合は、売掛金の評価を下げなければならない。また、社会環境の変化などによって工場などの生産が著しく減少することが見込まれる場合は、帳簿に計上されている固定資産を減損させる必要がある場合がある

5.期間配分の適切性:取引や会計事象を適切な金額で記録し、収益および費用を適切な期間に配分している

 会計期間内の取引が計上され、会計期間外の取引が計上されないようになっていること。例えば、建物などの固定資産は、取得した金額を期間費用として耐用年数に応じて期間按分するが、按分が適切であることを意味する

6.表示の妥当性:取引や会計事象を適切に表示している

 財務諸表の表示方法が適切かということであり、表示が会計原則やそれを具体化した各種府省令、会計士協会などのガイドラインに従っているかということを示す

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