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» 2006年01月18日 11時56分 公開

企業が知っておくべき法律知識:株式会社が作成すべき営業報告書の記載内容 (1/2)

株式会社が作成すべき書類は、貸借対照表、損益計算書をはじめ幾つかあるが、このうち営業報告書についてはその具体的な記載方法などが商法施行規則第103条から第105条に規定されている。今回はこちらを解説しよう。

[第一法規]

lalalaw当社は設立間もないIT関連の会社ですが、社長からマザーズ上場に際して問題がないように作成すべき書類を準備しなさいと指示を受けています。まずは商法に違反することがないように書類を揃えたいと考えております。貸借対照表および損益計算書は作成したのですが、営業報告書の記載内容について教えてください。


lalalaw株式会社が作成すべき書類は、貸借対照表、損益計算書、営業報告書、利益の処分または損失の処理に関する議案およびその附属明細書(商法281)とされていますが、営業報告書の具体的な記載方法などは商法施行規則第103条から第105条に規定されており、その主な記載内容は以下のようになっています。


  1. 主要な事業内容、営業所および工場、株式の状況、従業員の状況そのほかの計算書類作成会社の現況
  2. その営業年度における営業の経過および成果(資金調達の状況および設備投資の状況を含む)
  3. 親会社との関係、重要な子会社の状況そのほかの重要な企業結合の状況(その経過および成果を含む)
  4. 過去3年間以上の営業成績および財産の状況の推移ならびにこれについての説明
  5. 計算書類作成会社が対処すべき課題
  6. その営業年度の取締役および監査役の氏名、地位および担当または主な職業
  7. 上位7名以上の大株主およびその持株数の数ならびに当該大株主への出資の状況(議決権の比率を含む)
  8. 主要な借入先、借入額および当該借入先が有する計算書類作成会社の株式の数
  9. 自己株式の取得、処分などおよび保有に関する状況
  10. 商法第266条第12項または同法第266条第19項(取締役・社外取締役の賠償責任の限度額の定め)の定款を定めた計算書類作成会社にあっては、取締役に支払った報酬そのほかの職務遂行の対価である財産上の利益の額および監査役に支払った報酬そのほかの職務遂行の対価である財産上の利益の額
  11. 決算期後に生じた計算書類作成会社の状況に関する重要な事実

 なお、2004念年4月1日より後の最初に到来する決算期から連結計算書類の作成が必要となり、連結計算書類作成会社は前記のうち(1)(2)(4)(5)(11)については連結ベースで記載することも認められましたので注意が必要です(有価証券報告書を提出していない会社については、当分の間、連結ベースでの作成は求められていません)。

 前記の記載内容からも明らかですが、営業報告書は貸借対照表や損益計算書のように会計帳簿から作成されるものではなく、会社の状況に関する重要な事項を文書により報告するものと言えます。

解説

 商法施行規則では、営業報告書について前記のような項目が示されているだけであり、具体的な作成方法が示されていないため、日本公認会計士協会(「営業報告書のひな型」会計制度委員会研究報告第10号平成16年3月17日)や日本経団連(「商法施行規則による株式会社の各種書類のひな型(改訂版)」平成16年3月31日)などがそのひな型を公表しています。営業報告書などを作成する場合は、これらのひな型を参考にしながら会社の置かれている状況に応じて記載すると良いと思いますが、ここでは有価証券報告書未提出大会社の一般的なスタイルの営業報告書を想定して簡単に解説を加えていきたいと思います。

次ページ:営業報告書に記載する内容

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