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» 2006年01月23日 22時13分 公開

指紋認証はセキュリティ面以外にも活用できる――オーセンテックの新センサー

オーセンテックは、なりすまし防止機能などを搭載したPC向け指紋認証センサーの新製品、「EnterPad 1610」を発表した。

[高橋睦美,ITmedia]

 オーセンテック(AuthenTec)は1月23日、PC向け指紋認証センサーの新製品「EnterPad 1610」を発表した。指の状態を元に偽装を見破る「TrueFinger」をはじめ、いくつかの新しいセキュリティ技術を実装しており、PCメーカー向けに提供していく。

 オーセンテックは指紋認証センサーを提供するセミコンダクター企業だ。指紋認証にはいくつかの方式があり、中でも多いのは肌の静電気に反応する「静電容量方式」だが、同社では独自の「TruePrint」方式を開発、提供している。静電容量方式のように表皮を読み取るのではなく、真皮の凹凸を読み取る仕組みで、指の皮膚の状態に左右されることなく確実に認証を行える点がメリットだ。これに、独自のパターンマッチングアルゴリズム「TrueMatch」と組み合わせて強固な認証を行う。既に富士通の携帯電話をはじめ、多くの携帯電話やノートPCでの採用実績があるという。

 新製品のEnterPad 1610は、ノートPCでの利用を想定した指紋認証センサーだ。センサー自体の小型化を図ったほか、いくつかのセキュリティ機能を強化した。

 その1つが、PCが搭載するTPM(Trusted Platform Module)と連携してノートPC全体を保護するTCG(Trusted Computing Group)1.2への対応だ。将来的には、Intelの「LaGrande」テクノロジやマイクロソフトの次期OS「Windows Vista」のSecure Starupもサポートするという。

 また、ゼラチンなどを用いた偽の指によるなりすましを防止するTrueFinger技術を搭載した。「偽造をより困難にすることで、偽造行為のコストが高くつくようにし、なりすましなどを行おうとする攻撃者にとって偽造が割に合わないようにする」と、米AuthenTecのCEO、スコット・ムーディ氏は述べた。

 もう1つユニークなのは、ログイン時だけでなく、アプリケーション利用のたびに指紋認証を求める「常時認証」機能だ。メールの閲覧や送信、ファイルへのアクセス、Webアプリケーションの利用など、何らかのアクションを起こそうとするたびに指紋認証を求める設定が可能だ。

常時認証機能 常時認証機能のデモ。Outlookで受け取ったメールを開こうとすると、指紋認証を求めるダイアログが表示される

 もちろん、環境やニーズによっては利用しないこともでき、「セキュリティレベル設定に応じて、あらゆるアプリケーションを保護できる」(ムーディ氏)。同社は、EnterPad 1610とアプリケーションを連動させるためのSDKも提供していくという。

 EnterPad 1610の価格は5ドル以下で、OEM/ODMメーカー向けの出荷を開始している。4月以降出荷予定のノートPCやタブレットPCに搭載される予定という。

 ムーディ氏は、指紋認証は今後、セキュリティだけでなくさまざまな分野で活用されると述べている。同社のセンサーは、指紋の読み取りに応じてスクロールホイールやアプリケーション起動などの操作を行える「Power of Touch」機能を搭載しているが、これを活用して多用な利用法が可能だとした。

ムーディ氏 AuthenTecのCEO、スコット・ムーディ氏

 「指紋認証情報を元に表示するWebサイトをカスタマイズしたり、起動するアプリケーションを変更したりといった具合に、PCや携帯電話のパーソナライズが行える。指によって好みの音楽を再生するといったことも可能だ」(同氏)。今後も拡大を続ける指紋認証センサー市場の中で、2005年度には300万台、2006年度には800〜1000万台の出荷が見込めるとしている。

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