お客の声をひも解く企業がネット時代を「獲る」コンタクトセンターが企業の顔になる(2/4 ページ)

» 2006年02月01日 08時00分 公開
[上村陽子,ITmedia]

普及期(1990年代後半〜2000年)

 1990年代後半は、電話をコンピュータシステムに統合させるCTIが発展し、コンタクトセンターの普及を後押しした時期と言える。いわば、コンタクトセンターの普及期である。ナンバーディスプレイと組み合わせて、電話を受けると同時に登録済みの顧客情報をオペレーター画面に表示させるポップアップ機能は、現在ではコンタクトセンターの構築に広く取り入れられているが、1990年代後半では先進的な事例であった。

 2000年ころになると、CRM(Customer Relationship Management)が国内で注目を集めるようになる。顧客を中心に置いたシステム構築が重要視され、顧客接点で利用されるアプリケーションの開発が活発となり、コンタクトセンター向けアプリケーションもCRM製品の一部として提供されるようになった。このころからコンタクトセンターが顧客サービスと強く結び付けられて語られるようになる。

(1)成長期(2000年前半)〜効率化

 コンタクトセンターの運営費の大部分(およそ7割)は人件費である。いかに少ない人数で効率的に作業をこなし人件費を抑えるかが、コンタクトセンターを運営するうえでの最大の課題であり、2000年前半は、コンタクトセンター運営者がこの課題に立ち向かうためにさまざまな改善策を検討した時期と言える。典型的な例が、自動応答サービスの導入だろう。要件に応じて番号を押すよう機械が対応するサービスを利用したことのある人は多いはずだ。残念ながら、自動応答サービスは利用者からの評判が良いとは言えないのだが、人件費削減に一役買っていることは間違いないだろう。

 また、CTI機能を生産性向上に役立てるケースも目立つようになった。CTIサーバを利用すると、かかってきた電話をオペレーターの負荷が均等になるよう振り分けたり、事前に設定したルールで最適なオペレーターに振り分けたりすることが可能になる。

 さらに、オペレーターごと/顧客ごとの対応時間や全体の負荷状況をリポートすることが容易になるので、現状を分析してオペレーターの配置を改善し、放棄呼の削減に役立てるなど、オペレーターの生産性向上に向けて、企業が試行錯誤した時期である。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ