別途ルータはいりません――ジュニパーが中規模向け新セキュリティアプライアンス

ジュニパーネットワークスは、WANルーティング機能も備えた中規模事業所向けのセキュリティアプライアンス「Secure Services Gateway」(SSG)シリーズを発表した。

» 2006年02月07日 20時15分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 ジュニパーネットワークスは2月7日、WANルーティング機能も備えた中規模事業所や支店向けのセキュリティアプライアンス、「Secure Services Gateway」(SSG)シリーズを発表した。

 SSGシリーズは、中〜大規模オフィスをターゲットとしたファイアウォール/IPSec VPNアプライアンス「NetScreen-50」「同200」シリーズの後継機種に当たる。ファイアウォールとVPN、不正侵入防御(IPS)やWebフィルタリングといったセキュリティアプライアンスとしての機能に加え、WAN接続に対応している点が特徴だ。従来機種ではNetScreen本体のほかにルータを用意する必要があったが、SSGシリーズでは1台で両方の機能をまかなえることになる。

 具体的にはイーサネット以外にT1/E1、DS3、シリアルといったWANインタフェースを収容でき、フレームリレーやPPPなどのWANプロトコルに対応している。このルーティング機能は、同社のルータ製品向けOS「JUNOS」の機能を、旧NetScreen時代から継承してきたセキュリティアプライアンス向けの「ScreenOS」に統合することで実現した。

SSG 550 上位機種の「SSG 550」

 SSGシリーズには「SSG 550」と「SSG 520」の2種類がある。いずれも10/100/1000BASE-Tポートを4つオンボードで搭載するほか、WAN/LANインタフェースカードを追加できる拡張スロットを6つ備えている。

 上位機種のSSG 550では、ファイアウォール/NATについては最大1Gbps、IPSec VPNや侵入検知でも最大500Mbpsというスループットを実現する。WAN回線の高速化に伴い、拠点間接続においてセキュリティ機器がボトルネックになる傾向があったが、「LANに要求されるセキュリティと、ブロードバンド接続に対応できるパフォーマンスを実現する」(同社技術本部副本部長の小澤嘉尚氏)という。

 2006年後半にはScreenOSのアップデートにより、アンチウイルスやアンチスパイウェア、アンチスパムといったコンテンツレベルのセキュリティ機能、VoIP対応をにらんだQoS機能などが追加される予定だ。

 価格はいずれもオープンプライス。競合製品と位置付けられる「Cisco ISR」シリーズなどに対し競争力のある価格帯で、「セキュリティアプライアンスとルータという2つのカテゴリの間を埋める製品」(小澤氏)として提供していく。

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