Vistaの大幅遅延がWindows XP Homeのサポート期間を延命

Windows Vistaのリリースが当初の予定より大幅に延期されたことにより、Windows XPの両エディション(HomeおよびProfessional)とも、Vistaのリリース後2年間にわたりメインストリームサポートが提供されることになった。

» 2006年02月16日 07時00分 公開
[Paul DeGroot,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 Windows XP Home Editionのサポート期間が延長され、後継製品となるWindows Vistaのリリース後2年間、継続してメインストリームサポートが提供される予定だ。これは、コンシューマー製品向けのMicrosoftのサポートライフサイクルに対する事実上の変更となり、多くのWindows XP Home Editionユーザーが直面していた問題の1つが解消される。例えば、Home Editionのユーザーは、安全なOSでコンピュータを実行するには新しいコンピュータを購入する必要があるなど、費用のかかるアップグレードが2006年に発生する見通しだった。今回の変更により、その必要性がひとまず消えることになる。

 今回の変更は、Windows XPの後継製品であるWindows Vistaのリリースが当初の予定よりも大幅に延期されていることによるものだ。Microsoftはこの変更をライフサイクルポリシー自体の変更ではなく、これまでの同ポリシーの告知方法に対する変更であるとしている。Vistaは当初2004年にリリースが予定されていたが、現在のリリース予定は2006年末である。これは、まさにWindows XP Homeの5年間のメインストリームサポート(Microsoftから重要なセキュリティ更新プログラムが提供される期間)が終了する時期と重なる。Microsoftのサポートライフサイクルを説明するWebサイトでは、Windows XP Homeのメインストリームサポート期間の終了日が2006年12月31日とされていた。対照的にWindows XP Professionalは、同社のビジネスソフトウェア製品向けのルールに従って、後継製品のWindows Vistaがリリースされてから2年間、つまり2009年までメインストリームサポートフェーズが継続される予定だった。

 予定どおり2006年末にWindows XP Homeのメインストリームサポートが終了した場合、ユーザーは以下のような苦しい選択を迫られることになっただろう。

  • Windows XP Homeを引き続き使用し、サポート期間の終了後もMicrosoftからセキュリティ更新プログラムが提供されることを期待する。
  • 約200ドルを支払い、Windows XP Professionalにアップグレードする。
  • Vistaにアップグレードする。この場合、ユーザーの多くはPCハードウェアのアップグレードも必要になることが前提になる。
  • Vistaがプリインストールされた完全に新しいPCを購入する。

 Microsoftは現在、サポートライフサイクルポリシーの文書内の規定にかかわらず、Windows XP Homeのようなコンシューマー製品も後継製品のリリース後2年間のサポートを提供するとしている。同社は、今回のWindows XP Homeのサポート期間の変更を踏まえ、同社のWebページの変更を始めている。これで、ユーザーに新しいシステムまたはOSに移行するまで2年間の猶予期間が生まれることになる。

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