Exchange開発チームがβ1テストを拡大、CTPをリリース(2/3 ページ)

» 2006年03月02日 19時09分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

統合型ソリューション

 ITマネジャーはExchange System Managerを使用して、レプリケーションの対象となるデータベースを選択した後、ウィザードを起動して、複製ファイルを保管する場所を指定する。

 次に、Exchange System Managerは、データベースのコピーを自動的にセットアップし、すでに本番運用されているデータをそれに取り込み、システムログファイルの再生を行う。

 「このソリューションでフェイルオーバーが行われる場合、システム管理者が障害の通知を受け取り、Exchange System Managerから複製システムを指定すると、本番システムが切断・停止され、それに代わって複製システムが接続・起動される」とモーマン氏は説明する。

 ユーザーにはシステムがダウンしたことが分かるが、システムの入れ替えが完了すれば即座に、以前と同じようにシステムを利用することができるという。

 また、ユーザーはOutlookの設定を一切変更する必要がない、と同氏は話す。

 2番目のソリューションであるクラスタコンティニュアスレプリケーションは、クラスタ環境で動作する。大企業ユーザーは、スケールアップによって非常に高レベルの可用性を実現することができ、地理的に分散したサイト間でフェイルオーバーを行うことも可能だ。

 「これらのソリューションはExchange 12に統合される。Exchangeの基礎にあるJetデータベースのレベルでこれらの機能を実装した」とモーマン氏は話す。

 「利点としては、バックアップの総合コストが減少すること、そしてアーカイブ目的でのバックアップや大災害に備えてのバックアップの頻度を厳密に管理できることが挙げられる。また、これらのバックアップは複製から取るので、本番用データベースが影響を受けることはない」(同氏)

 また、特定のハードウェアやストレージソリューション、あるいは特定のハードウェア構成に縛られないという意味では、安価なソリューションである、と同氏は話す。ユーザーは可用性のニーズに応じてコンティニュアスレプリケーションの構成を選択し、DAS(Direct Attached Storage)またはSAN(Storage Area Network)を使うのか、1台あるいは複数のサーバを使うのかを指定することができるという。

 2番目のソリューションでは、自動フェイルオーバーを実行するように設定することも可能で、クラスタのアクティブノードがダウンすると、システムは自動的に複製の方に移動する。

 Exchange 12は、組み込まれているJetデータベース上で動作するため、両ソリューションはいずれも、SQL Serverデータベースや、Oracleなどのベンダーが提供するデータベースとは連携しない。

 「これは設計段階で決まったことだ。JetはExchangeの開発スタッフにとって慣れた環境だからだ」とモーマン氏は説明する。

 同氏によると、クラスタコンティニュアスレプリケーションおよびそれによって可能になる新しいトポロジー、さらに地理的に分散したサイト間でフェイルオーバーが可能なこと、ストレージソリューションを見直して可用性を高められることなどについて、β1テスターから多くのフィードバックが得られたという。

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